【三崎】元マグロ問屋の「寿司元」で味わう熟成赤身のまぐろ寿司

Release2025.09.05

Update2025.09.05

【三崎】元マグロ問屋の「寿司元」で味わう熟成赤身のまぐろ寿司

Release2025.09.05

Update2025.09.05

三浦半島の先端、自然を満喫できる城ケ島。その入り口、城ケ島大橋の近くにある寿司処「寿司元」では三浦半島ならではの鮮度の高いネタを食べられると評判です。

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暖簾をくぐると、昔ながらの寿司屋の風情がありながら、店内にはジャズが楽しげに流れています。ハット姿の大将・斉藤哲夫さんがカウンター越しに握ってくれたのは、鮮やかな赤身が目を惹く「まぐろ寿司」(1,100円・税込)でした。

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鮮度と熟成の見極めから生まれる「まぐろ寿司」

ネタは「自分が食べたいものしか出さない」という斉藤さん。魚は近くの漁港や魚問屋を自ら周り、鮮度を見極めながら選び抜いているそうです。ただし、仕入れたネタはそのまま出すわけではありません。

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「魚は鮮度も大切ですが、寝かせて熟成させたほうが良い魚もあります。例えばマグロなんかは捕れたてのものは弾力が強すぎてしまう。だから最低でも1~2日は冷蔵庫で寝かせて旨みを引きだします」

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熟成した赤身で握られた寿司は、噛むほどにマグロ本来の旨みがにじみ出るような濃厚な味わい。口の中でほぐれたシャリとマグロの旨みと混ざり合い、至福のひとときを楽しめます。

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「シャリは季節でお米の品種を変え、ほどよいほぐれと口どけにこだわっています。寿司ネタとお米との相性の良し悪しは、握りやすさでわかります。握りやすいお米は、食べやすいお米。新米の時期はササニシキを選ぶことが多いですね」

マグロ問屋から寿司処に。そして斉藤さんらしいお店へ

斉藤さんは、元マグロ問屋だったという先代から受け継いだ二代目。カウンターの後ろに掲げられた立派な千社額には、先代の歴史が詰まっていました。

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先代は元々「山元」という屋号のマグロ問屋でした。この千社額は、「寿司元」開業時に問屋組合の仲間からお祝いで贈られたもので、三崎の地場産業を支えてきた先代と仲間たちの絆が刻まれています。

そして斉藤さんが店を引き継いだのは、昭和59年の年末。横須賀のほうで寿司職人として働いていた店に、先代がマグロを納めていた関係で、顔見知りだったそうです。

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「先代から『うちでやってみないか』と誘われました。『5年辛抱すれば店を譲る』と言われたので」

その約束を信じ、厳しい先代と何度もぶつかりながらも腕を磨き、店を支えてきました。そしていざ店舗を引き継ぐと、好きなオーディオを並べ、ジャズを店内に響かせ、斉藤らしさ溢れる店舗へと変えたそうです。

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「元々は普通の寿司屋で、カセットで自分が聞こえる程度の音量でしか音楽を流していたんですけどね。あまりの変わりように最初のほうは先代も茶々を入れましたが、もう私の店ですからね(笑)」

肩の力を抜いたように笑う斉藤さん。趣のある店内には、マグロ問屋「山元」と寿司処「寿司元」の歴史と誇りに、斉藤さんらしさを重ねてきた年月の重みが感じられました。

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取材日 2025/07/24

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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ランチ限定「海鮮にぎり」(1,100円・税込)は、にぎり7貫に巻物1本がついて、価格以上の満足感がある一皿。

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新人のころに師匠から「シャリの中に空洞をつくるように握れ」と教わったという斉藤さん。熟練の技は口ほどけの良いにぎりにつながります。

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先代の提案でつくった“隠れ部屋”は、かつて裏からしか入れなかったが、今では障子越しで店内から入れるように改装されたうえに、斉藤さんのオーディオコレクションが並ぶ。

Writer小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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