横須賀「布ぞうり工房 禅蔵」の市ノ瀬絵里子さんが作るカラフルな布ぞうりは、指の間も痛くなりにくい優しい履き心地が魅力。
可愛らしいデザインと足に優しい履き心地で人気を博しています。
横須賀「布ぞうり工房 禅蔵」の市ノ瀬絵里子さんが作るカラフルな布ぞうりは、指の間も痛くなりにくい優しい履き心地が魅力。
可愛らしいデザインと足に優しい履き心地で人気を博しています。
素足にもやさしく動きやすい布ぞうりは、買っても作っても楽しいアイテム。
「布ぞうり工房 禅蔵」の市ノ瀬絵里子さんは、横須賀で布ぞうりの製作や、布ぞうり作り教室(7,000円=キット・テキスト込み)の運営をしています。
しっかり編み込んである強度と、布を自由に選べることから、指の間も痛くなりにくく、また足の外側がオープンであることから、外反母趾などにもならない布ぞうり。市ノ瀬さんによって編まれる布ぞうりは色鮮やかで、見ているだけでもワクワクします。
「もともとは、手芸に興味がなくって。根気もなくて腰を据えてものづくりをするなんて考えもしませんでした」
苦笑いしながら語る市ノ瀬さん。しかし30年ほど前に横浜から横須賀へ引っ越したことで、運命の出会いがありました。
「海や山の自然が好きで、都心部へのアクセスも良いことから横須賀を選びました。長女が3歳で長男がお腹の中にいたときに引っ越してきたのですが、生まれた子供の世話を近所の方が手伝ってくれるなど、とても人情厚い街なんです」
市ノ瀬さんがご近所さんのちびっこの世話をすることも増えたなかで、ご近所の方の親戚から頂いたものが手作りの布ぞうりでした。履き心地や可愛い色合いに市ノ瀬さんは感動し、自分でも作りたくなります。
布ぞうりを頂いた方に横浜の作り方教室を教えて頂き、没頭していきました。
「デザインも使い勝手も、自分の身体に合うように工夫しました。鼻緒を太くしてみたり、取り付ける位置を調整したり、全体のバランスを取ったり……。履きやすく見た目が良いものを目指して試行錯誤してたどり着いたのが、今の布ぞうりです」
そのうち、今度は友人が市ノ瀬さんの元へ作り方を習いにくるようになり、人を集めて一緒に布ぞうりを作るようになりました。
やがて、東京のカルチャースクールや横須賀中央の着物屋さんの一角を借りて、本格的な布ぞうり教室を行なうように。
布ぞうり教室が日本テレビのディレクターの目にとまり、「ぶらり途中下車の旅」でテレビ出演も果たしました。
布ぞうり作りをきっかけに、市ノ瀬さんは群馬県名産品「こんこん草履」を知ることになります。
この作り方を学び、市ノ瀬さん流の布コードや型を活用することで、色鮮やかな履き物「ヨコスカスリッパ」を生み出しました。
2014年7月にフランス・パリで行なわれたJapan Expoに布ぞうりやヨコスカスリッパを出展し、布ぞうりはパリっ子にも大人気。草履の日本的な形状と、市ノ瀬さんの紡ぎ出す布コードのカラフルな組み合わせが、芸術の本場の人々のお眼鏡にも叶ったようです。
2025年秋には横須賀中央駅近くの商業施設「さいか屋 横須賀店」で布ぞうりとヨコスカスリッパの展示販売会も決定。
フランスでも認められた市ノ瀬さんの布ぞうりを見て、履いてみたら、毎日が楽しくなりそうですね。
取材日 2025/7/11
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Writer奥野大児
1971年生まれ。大学卒業後20年ほどシステムエンジニアで会社勤めをした後にフリーライターとして独立。グルメ・IT・旅などのジャンルで、お出かけレポートからインタビュー、調査記事までいろいろ書きます。
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