【三崎】天保4年創業!伝統技法で染める手ぬぐいと風呂敷「三富染物店」

Release2026.01.24

Update2026.01.24

【三崎】天保4年創業!伝統技法で染める手ぬぐいと風呂敷「三富染物店」

Release2026.01.24

Update2026.01.24

江戸時代から三崎で続く染物店「三富染物店」。

大漁旗の染色技法を活かした手ぬぐいや風呂敷は、可愛らしいマグロ柄や波模様が人気を集めています。

現在、7代目の三冨由貴さんが継承する"筒描き”の技は、10年かけて身につけた職人技。伝統と遊び心が共存する品々は、お土産にもおすすめです。

天保時代から大漁旗を造り続けている三富染物店

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江戸時代からの染付技法を使って大漁旗を作っている三富染物店。

大漁旗というと普段の生活ではなかなか縁がありませんが、ここでは大漁旗を染める技法を用いて、手ぬぐいや風呂敷の販売も行なっています。

資料に残っているだけでも天保時代の記録が残っている三富染物店は今、三冨由貴(みとみよしたか)さんが7代目の当主として切り盛りしています。

由貴さんの代になって、手ぬぐい(800円)のデザインを大幅に増やしました。三冨さんの絵を元に、プロのデザイナーにアレンジしてもらい、現代的な手ぬぐいになりました。

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小魚を咥えている猫をマグロが追いかけているコミカルなものや、葛飾北斎を代表する浮世絵「神奈川沖浪裏」を連想させるような波を背に泳ぐマグロなど、可愛くコミカルで利用シーンを選びません。もちろん、伝統的な大漁旗をイメージした手ぬぐいもあります。

より大きなサイズで楽しめる風呂敷(3,000円)、贈答品にも使えるミニ大漁旗(3,000円、名入れ込5,000円)も用意されています。

修行に10年かかった、独自の糊で描く手法「筒描き」

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三富染物店の歴史は古く、史料に残っているだけで天保4年には創業しています。

「それ以前から染物業を営んでいたはずです」

と三冨さんは語ります。江戸幕府の御用職人で、戦用の幟(のぼり)や、藍染めの旗指物半纏も作っていました。

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当時から今も続いている手法が「筒描き」というものです。もち米と糠を混ぜた糊をクリームの絞り器のような筒に入れて線を描き乾燥させます。

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これが水に溶けるマスキングテープの役割をし、この線を活かして染料を塗っていき、すべて乾いたところで水で洗うと、糊の部分が溶けて白い線のように見えるのです。

糊の準備だけでも「季節や気温によって配合が変わる糊の調合は難しく、いつも納得いくようになるまでに10年はかかりました」

と三冨さんがおっしゃるほど奥深い世界。まさに職人の技が求められる伝統ですね。

両親の背中を見て家を継ぐ

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三冨さんは大学に進むまで、家業を継ぐことを考えていませんでした。

「美術の成績も低かったし、大学では経営を学んでいました。高校時代の恩師にも『由貴は絶対に家業を継がないね』と言われていたくらいです(笑)」

と語った三冨さんですが、卒業を意識し始めたころから客観的に家業を見て

「何もない白い生地に1つの絵を創り上げる面白さや、お客さんに喜んでいただける商売の良さに気づきました。お子さんが生まれたお客様に大漁旗をお納めして『本当にありがとうございました』と言われるシーンを見て、良い仕事だなと痛感するようになったんです。」

絵の不安はあったものの、ご両親の作業を見て学びながら家を継ぐことに。

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大漁旗は、波や文字の描き方で誰の手によるものか分かるそうです。三富染物店のマグロと「大漁」の文字も、三冨さんの手によるものであることがきっと知れ渡っているのでしょう。

取材日 2025/9/2

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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着色の工程は、旗をハンモックのように左右から引っ張った状態で行ないます。裏まで着色させるためです。

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普通の店なら看板になる店名の張り出しも、ここでは大漁旗が。近所の飲食店にも三冨さん作のものがあります。

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大漁旗は天日で乾かすのだそうです。 中央に堂々と佇む主役と「大漁」の文字が目を引きます。

Writer奥野大児

1971年生まれ。大学卒業後20年ほどシステムエンジニアで会社勤めをした後にフリーライターとして独立。グルメ・IT・旅などのジャンルで、お出かけレポートからインタビュー、調査記事までいろいろ書きます。

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