【横須賀】47歳で脱サラ漁師に!「直丸」門脇さんが挑む“命懸けの素潜り”と親子の絆

Release2025.11.28

Update2025.11.28

【横須賀】47歳で脱サラ漁師に!「直丸」門脇さんが挑む“命懸けの素潜り”と親子の絆

Release2025.11.28

Update2025.11.28

横須賀・鴨居の海で、アワビ漁やタコ漁、刺し網漁を営む漁師「直丸」。代表を務める門脇直行さんは、かつて会社員として20年勤めた後、47歳で一念発起。“潜りの漁師”として第二の人生を歩み始めました。

命を懸けて挑む、素潜りのアワビ漁

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「これ、獲ってきたアワビの殻です」

門脇さんが見せてくれたのは、手のひらをはるかに超える立派な殻。

横須賀の海で、こんな大きなアワビが獲れることに驚かされます。

漁は、酸素タンクを使わず、自らの呼吸と身体ひとつで海に潜る「素潜り(スモグリ)」から始まります。

アワビやサザエを狙って海底を進む姿は、まさに命懸け。

体に負担をかけない高性能の足ひれを装着し、息子さんと二人で海に挑みます。

8月から10月にかけてのアワビ漁期には、県内でも屈指の水揚げ量を誇ります(年間約1トン)。

伊豆や千葉にも並ぶその品質は、高級寿司店からの信頼も厚く、直丸ブランドの名を広めています。

タコ漁に見る、駆け引きと職人技

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一方、タコ漁は“頭脳戦”ともいえる世界です。

門脇さんは壺ではなく、複数のタコを一度に捕まえられる「カニかご漁法」を採用。

30個のかごをロープでつなぎ、それを5本、合計150個近くを仕掛けるという、気の遠くなるような作業です。

餌はサバやコノシロ。

フグなどの外敵に食べられないよう、水中で動かぬように細やかに固定します。

「タコは潮の流れや水温、産卵期で姿を消すこともある」と言う門脇さん。

自然と向き合いながら、わずかな変化を読み取る洞察力が問われます。

季節が進むにつれ漁は減っていきますが、決して焦らず、海のリズムを信じて今日も静かに船を出します。

鮮度への執念 ― 一瞬を逃さない手仕事

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魚を獲る際には、狙う魚に応じて網の目を変える「刺し網漁」を使います。

秋の主な獲物はカワハギ。一度に50kgの大漁となることもあるそう。カレイ、ヒラメ、真鯛、アンコウなど、季節ごとに海の恵みは姿を変えます。

漁から戻るまでのわずかな時間が、魚の命運を左右します。

刺し網は天馬船でやっているので周りの漁師さんより漁獲は少ないですが、朝獲れの魚介を丁寧に船上〆にして最高鮮度の魚介を地元横須賀の飲食店に配達し、提供しています。

タコやイカは一度冷凍してぬめりを落とし、食感をやわらかくする。

この細やかな仕事が、「直丸」の魚を特別なものにしています。

47歳、会社員から漁師へ ― 海がくれた“自由”

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横須賀鴨居港「直丸」代表 門脇直行さんは、かつて20年にわたり会社員として働いていました。

転機が訪れたのは47歳。

長年心にあった「海への想い」が、さまざまな出来事をきっかけに再燃します。

「子どもの頃から素潜りや釣りが大好きでね。第二の人生は、やっぱり海で生きようと思ったんです。」

脱サラし、漁船で2年間修行を積み、独立して約9年が経ちます。

真摯な仕事ぶりと確かな腕前で、地元の漁師仲間からも信頼される存在です。

海と共に育った息子と共に

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漁師になって最初の年、門脇さんを襲ったのは“海の試練”でした。

水圧による難聴。命こそ助かったものの、一時は漁を諦めかけます。

そのとき、彼を支えたのが息子の圭介さんでした。

幼い頃から海が遊び場だった圭介さんは、泳ぎも息継ぎもお手のもの。

父の背中を見て育ち、自然と海の世界に惹かれていきます。

最初の2年間は潜ることを許されず、サポート役に徹しました。

それでも仲間の後押しを受け、ついに正式に潜水を許可された日――

圭介さんは父と肩を並べ、海へと潜っていきました。

親子で挑む、二人の素潜り

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「最初の潜水でいきなりアワビを5kg獲ったときは、“すげえな”って笑っちゃいました」

今では父と息子の二人体制で素潜り漁を行っています。

ひとりが潜り、もうひとりが見守るという、命を預け合う緊張感の中での作業です。

「もし息子が上がってこなかったら、すぐ助けに行けるようにしています」

その言葉の奥には、父としての深い愛情と覚悟がにじみます。

圭介さんの視力は驚異の2.0以上。

箱メガネ越しに海底を正確に見抜き、「あそこにいる」と指差すその目は、父が舌を巻くほどです。

60歳を迎えたら、また次の海へ

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「漁師は自由だよ。自分の責任で海と付き合う。それが一番、自分に合っていると思うんだ」

素潜り漁は体力勝負。60歳を一区切りに、今後はタコ漁や刺し網漁を中心にシフトしていく予定です。

海と共に生き、海を敬い、そして次の世代へその想いをつなぐ。

「直丸」の挑戦は、今日も静かに横須賀の波間に続いています。

取材日 2025/10/25

※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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漁場が良いため、大きくて立派なタコが入ります。

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高機能な足ひれは素潜りには欠かせません。

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アワビを磨くと、美しい色と模様が浮かび上がります。

Writerうみのとなり

ライター歴5年 「横須賀っていいな」「行きたいな、住みたいな」と思ってもらえる情報を発信しています。 地元の美しい自然・歴史・地域のあたたかさと魅力を伝えたい!Yahoo!ニュースライター 500件以上取材実績あり。地域クリエイター月間MVA2024年11月、7月、2023年7月連続受賞。

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