1年を通じて多彩な野菜が育つ三浦の大地。自然の恵みが私たちの口に入り、命の糧となるまでにはどんな人々の思いがあるのか。
40年以上テレビの料理番組に従事し、料理と食材に携わった筆者を通して三浦野菜とその食を見つめます。
早く火が通り、クセがなくて味がつきやすい本春キャベツは、手早くささっと作りたいおつまみにもおすすめの素材です
毎日の晩酌が楽しみ、という森勘農園の奥様、森美樹さんに教えていただいた酒の肴を3品ご紹介します
しんなりして食べやすく、しっかり味のついた塩昆布あえは、生のサラダやあえものより、おつまみ向きです
① キャベツ(上半分)1/2個(250g)は繊維と直角に5mm幅の細切りにします
② たっぷりの湯を沸かし、①を入れてひと混ぜし(再沸騰しなくてよい)、ザルに上げて冷まします
春キャベツは柔らかいので、くれぐれもゆですぎないようにしてください。ひと混ぜして全体が熱湯に沈んだら上げる、という感覚です
③ ②の水気を絞り、器に入れて、ごま油大さじ1、塩小さじ1/2の順にまぶし、塩昆布適量をふります
ごま油を先にまぶすのは、塩辛さが立たないようにするためと、水気が出るのを抑えるためです。山盛りのキャベツがしんなりして一握りになるので、野菜をたっぷり食べられる健康的なおつまみになります
言わずと知れたビールのつまみの定番ですが、本春キャベツはあっという間に炒まってカサも減るので、これまたたっぷり野菜が食べられます
本春キャベツ1/2個(400g) ベーコン(厚切り)60g にんにく大1かけ オリーブ油大さじ1 塩小さじ2/3 黒こしょう多め
① キャベツは5〜6cm大に切ります。ベーコンは7〜8mm角の棒状に切り、にんにくは横の薄切りにして芽があれば除いておきます
にんにくの芽を除くのは、炒めている時に先に焦げて苦くなってしまうから。竹串で真ん中の芽の部分を押すと簡単に除けます
② 冷たいフライパンにオリーブ油とにんにくを入れ、カリッとして薄く茶色になるまで弱火で炒め、油を残して、キッキンペーパーの上ににんにくだけを取り出しておきます
カリッとした美味しいにんにくチップスを作るには、くれぐれも焦がさないように。フライパンを傾けてオリーブ油の中でにんにくが泳ぐように炒めて、少し茶色に色づいてきたら取り出します。余熱ですぐに濃い色になり、しばらくおくと食感もカリッとなります
③ 残した油にベーコンを入れ、脂が出てこんがりするまで炒めます。①のキャベツを2度に分けて加え、しんなりするまで強火で炒め、塩、こしょうで調味します
2度に分けてキャベツを加えるのは、炒めやすくするためです。1度目のカサが少し減ったら、しんなりする前に残りを加えます
④ 器に盛り、②で取り出しておいたにんにくチップスを散らします
森勘農園の奥様、森美樹さん考案の新作おつまみ。身近な材料で作れますが、ちょっと凝った、お客様にも出せる1品に。酒の肴だけでなく家族のごはんのおかずにもなるところが嬉しいところです
本春キャベツ(上半分)1/2個分(250g) 油揚げ3枚 バター大さじ1 しょうゆ小さじ1 好みの溶けるチーズ(シュレッドタイプ)50g しょうゆ適量
① 油揚げは半分に切り、袋状に開いて6枚用意します
② キャベツは2〜3mmのせん切りにし、バターを溶かしたフライパンでしんなりするまで炒め、しょうゆ小さじ1で調味し、チーズを混ぜて6等分にしておきます
③ ①の油揚げに2の等分したキャベツを詰めて、口を楊枝で縫うようにとめ、軽く押さえて平らにしておきます
④ グリルで焦がさないように注意しながら、両面をパリッと焼き、表面にしょうゆをハケでさっと塗ります
油揚げはグリルですぐに焼けるので、くれぐれも焦がさないように、目を離さずに焼いてください
しょうゆは両面に塗った方が味がはっきりとして、おつまみ向きです
バターじょうゆ味のキャベツがぎっしり詰まって食べ応えがあり、意外とお腹にもたまります。チーズが固まらない熱いうちに食べてください
美樹さんのお話では、本春キャベツはコールスローやホイコーローはもちろんのこと、残ったホイコーローを春巻きの皮で包んで揚げたり、クセがないので麻婆豆腐に混ぜたり、パスタや焼きそばに入れたり「何にでも使います」とのこと。
水分が多いので、調理するときにふたをして蒸し煮や蒸し焼きにし、キャベツの水気をうまく利用して調理するそう。例えば焼きそばを作るときには、たっぷりの春キャベツの上に麺をのせて、ふたをして蒸し焼きにするなど、調理の時に水を入れる必要がないことが多いそうです
三浦でも「本春キャベツ」の美味しい時期はあっという間にすぎてしまいます。
本物の春キャベツを味わうために、時期を狙って三浦の直売所を訪ねるのも楽しいかもしれません。生から加熱まで、ぜひ一通りを味わっていただきたいと思います
取材日:2025年4月22日
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

Writer戸叶 光子
幼い頃から食べるのが大好きで、卵かけごはんは「黄身を崩さず自分でさっと混ぜながら食べたい」(当時は母親がよくかき混ぜて子ども達のごはんにかけてくれるのが普通だった)、「いちごは絶対潰さないで」(その頃のいちごは酸っぱくて、砂糖と牛乳をかけて潰して食べるのが定番だった)などなど、食べ方に変なこだわりをもつ子供だった。 大学卒業後は料理編集者の仕事に就き、その後、料理番組の制作にも40年ほど携わって食こそ人生の日々を過ごしてきた。キャンプ、バレエ、猫を愛し、料理、食材の取材はライフワークにしたいほど好き!

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