鐙摺葉山港の信号近くに建つ、貫禄漂う大きなお屋敷。歴史を感じる外観に目を奪われる「葉山 日影茶屋」は、逗子・葉山エリアを代表する老舗の日本料理店です。
創業三百余年の歴史を持つ「葉山 日影茶屋」ですが、そもそもは葉山の地で峠の茶屋として創業しました。
鐙摺葉山港の信号近くに建つ、貫禄漂う大きなお屋敷。歴史を感じる外観に目を奪われる「葉山 日影茶屋」は、逗子・葉山エリアを代表する老舗の日本料理店です。
創業三百余年の歴史を持つ「葉山 日影茶屋」ですが、そもそもは葉山の地で峠の茶屋として創業しました。
「店の前を通る道は鎌倉と三浦半島を結ぶ重要な街道であったことや、鐙摺港が江戸へ食糧を運ぶ役割を担っていたことから、人々の往来が多くあったといいます。そこで、街道を通る旅人たちにお茶や軽食をふるまっていたそうです」と教えてくれたのは、女将の木村仁子さん。
明治に入り料理旅館を開始し、昭和後期に日本料理屋へと変遷をたどり、その歴史の中で生まれたのが日影茶屋の名物「鯛茶漬け」です。
使用する鯛は鮮度を保つために手早く神経締めをして、背中の身と腹の身を合わせてバランスのよい食感に仕上げます。その鯛の身に絡める胡麻だれが、おいしさの肝。
「胡麻を香ばしく炒ってすり鉢でペーストにして、そこに卵黄と土佐醤油を合わせたものに鯛を絡ませます。そうすることで味がなじみ、濃厚でうまみの深い鯛茶漬けに仕上がります」(料理長・森秀明さん)
さっと食べられる手軽な食事を、手間暇かけて締めのごちそうに昇華させた「日影茶屋」の鯛茶漬け。森さんにおすすめの食べ方を教えていただきました。
「まずは鯛の胡麻和えをそのまま味わってみてください。次に白いごはんに乗っけていただき、最後はほうじ茶をかけてお茶漬けとして味わう。ぜひ三段階のおいしさを楽しんでください」
胡麻の香りと濃厚なうまみが白いごはんによく合い、あられの食感も楽しく、ほうじ茶をかけるとさらっと上品な味わいに変化。昼夜ともに「鯛茶膳」(昼5,500円、夜7,150円)の一品として味わうことができます。
「鯛茶膳」は鯛茶漬けの前後に登場する料理も逸品ぞろい。地元の魚介や三浦野菜を使った旬の料理を、季節に合わせた器で提供。目と舌で四季を楽しむ、伝統の日本料理を堪能できます。
「奇をてらわずに、基礎を中心に伝統の味を守ることを大切にしています」と料理のモットーを語る森さん。有形文化財に指定された趣あふれる空間で、四季折々の美味と名物の鯛茶漬けを堪能する特別な時間を体験できます。
取材日 2025/9/8
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information

葉山 日影茶屋
住所 神奈川県三浦郡葉山町堀内16
電話番号 046-875-0014(予約)
営業時間 11:30〜15:30(14:00LO)、17:30〜21:00(料理19:00LO)
定休日 火・水曜(祝日の場合は翌平日)
URL https://hikage.chaya.co.jp
https://www.instagram.com/hikage_chaya/

Writer坂井あやの
雑誌やweb媒体で食・酒・旅にまつわる記事を執筆。町場の酒場から星付きレストランまで、おいしい料理とお酒があると聞きつければフットワーク軽く全国へ足を延ばす。ナチュラルワインとサウナと野球が、日々の癒し&楽しみ。

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