【横須賀】溶けないアイス「葛シャリ」の生みの親。できたて屋の千葉恵一さん

Release2025.04.28

Update2025.04.28

【横須賀】溶けないアイス「葛シャリ」 の生みの親。できたて屋の千葉恵一さん

Release2025.04.28

Update2025.04.28

各地を賑わせた新・夏の和菓子。生みの親は千葉恵一さん

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夏季の和菓子といえば、葛きりやゼリーを凍らせた氷菓が有名です。しかし、最近人気を博している、葛を凍らせた新食感のアイスキャンディーをご存じですか。

各地でさまざまな名称で販売されていますが、その元祖は横須賀・長沢にある「できたて屋」の店主・千葉恵一さんが考案した「葛シャリ」(200円・税抜)なのです。

できたて屋の「溶けない不思議なアイスキャンディー」

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外気温で溶けるアイスとは違った重み、そして歯を入れたときの独特の弾力としゃり感がクセになる「葛シャリ」。旬のフルーツの果肉や果汁がたっぷり入っていて、爽やかな甘みを感じられます。溶けてしまっても自宅で再冷凍すれば変わらない味わいを楽しめるのもポイント。

「葛シャリ」は元々、恵一さんが以前勤めていた和菓子屋「仙臺屋総本店」(神奈川・川崎、2012年閉店)で、1980年代に開発した夏季限定商品です。

ある日、恵一さんが仙臺屋の定番夏菓子である葛切りそうめんとフルーツゼリーの余った材料をうっかり合わせて冷凍してしまったそう。

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「試しに食べてみたら、意外と美味しい。面白いものがつくれそうだと一年間、試行錯誤してやっとできました」(恵一さん、以下同)

棒を刺してアイスキャンディー状で提供したところ、テレビ番組『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ・1999年7月3日放送)で紹介され、瞬く間に有名に。当時は連日お客さんが来て、日によっては1000本以上売れたそうです。

そして恵一さんが「できたて屋」を開業する際に、仙臺屋から「葛シャリ」の商標登録権を譲り受けました。

記憶に残るお菓子づくりをしたい、恵一さんの想い

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類似商品が各地で販売されている現状をどのように感じるのか、尋ねてみました。

「僕たちはネット販売をしていないので、遠くのお客さまに届けられません。だから『葛シャリ』が一般的な和菓子として各地で広がっていくのはいいと思います」

“売れたい”思いはあるけれども、多くの人に美味しく食べてもらいたい気持ちのほうが強い、とも恵一さんは話します。

「そのうえでお客さんが『この時季になると食べたくなる』とか『できたて屋のお菓子が一番好き』と感じて、来店してくれたら嬉しい。人々の記憶に残る商品をつくる店でありたいですね」

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取材の最後に、恵一さんが毎朝欠かさず行う儀式を教えてくれました。

それは、両手を合わせて親指と人差し指でつくる隙間に息を吹き込むこと。手の中に伝わる、吐息の温かさが「てづくりの温かさ」なのだとか。この温かさを忘れないようにしながら、日々お店を切り盛りしているそうです。

冷たい和菓子に宿る、恵一さんの温かな想い。

ぜひその元祖の味わいをできたて屋でご賞味ください。

取材日 2025/1/17

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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「できたて屋」の目印は壁一面のタペストリー。名物の「超プレミアム苺大福」もおすすめです。

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とても素敵で、また会いに来たくなる千葉さんご夫婦。

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「葛シャリ」はその季節に採れる果物からつくります。取材当時は、いちご味、ピーチ味のみ。それ以外にも、時期によってはマスクメロン味、みかん味、小豆味もあるそう。

Writer小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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