可愛らしい外観が気になる「cafegallery3sun」。思い切って扉を開けてみると視界に飛び込んできたのは、所狭しと並んだ店主の菊地美紀さんのコレクションたちでした。
入り口すぐのカウンターを見ると、ショーケース内にはボリューミーなアメリカン・マフィンたちがずらり! なんとも美味しそうな出で立ちに、ついお腹の虫が鳴ってしまいます。
横須賀出身という菊地さん。お手製のマフィンには子どもの頃に招待されたハロウィン・パーティの思い出が詰まっているようです。
「お隣さんがアメリカ人のファミリーで、子ども同士でよく遊んでいました。初めて参加したハロウィンパーティーは“なんじゃこりゃ?!”の連続でしたね。楽しげなデコレーションに、テーブルの上に並んだごちそう…そしてケーキみたいな豪華なマフィン!」
その当時の記憶を頼りにしてできたのが、カップから豪快に生地があふれ出る、きのこ型のアメリカン・マフィンです。今回は大人気の「モンブランマフィン」をいただきました。
お店で食べるときは少し温めて、半分にカットした状態で提供されます。断面に現れたのは、“企業秘密”という渋皮のモンブラン・クリームとシロップ漬けの栗。甘さ控えめで、しっとりとしたマフィン生地とまろやかなクリームが溶け合い、幸せが口いっぱいに広がります。
トップに飾られたシロップ漬けの栗、そしてほろほろと崩れるクランブルで食感が変わって、大きなマフィンでもぺろりといただいてしまいました。
お店の奥を覗くと、ソファーが置かれた小上がりには、目を惹く太陽のアート作品、古道具、本などなど菊地さんのお気に入りの品々が並んでいます。菊地さんによると、元々お店はギャラリーとしてオープンし、軽食の販売は一切考えていなかったようです。
「知り合いの作家さんの作品を皆さんに見てもらいたいと、ギャラリーを始めました。ただ現実は厳しく、休憩所としてドリンク提供を始めたところ、地元の方々から『何か食べるものないの?』と聞かれるようになって……軽食の提供を本格的に考えるようになりました」
地元の方々に試食してもらいながらスコーンづくりに何度も挑戦したものの、お店に出せる出来からは遠く……少し落ち込んでしまったときに気分転換につくったのが、記憶の奥に眠っていたマフィンだったそうです。独立前はアパレル販売で、料理も製菓も“一切ダメ”だったという菊地さんですが、マフィン専門店に話を聞いたり、数々のレシピを研究したり、半年かけてオリジナル・マフィンを生み出しました。
「やっぱり思い入れのあるマフィンだからこそ、研究のモチベーションが続いたのだと思います。今はお客さんからの要望に応えながら、ラインナップを週ごとに変えています。今後も多くの人にマフィンを知ってもらいたいです!」
取材日 2025/5/16
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
cafegallery3sun
住所 神奈川県三浦市三崎2-12-15
電話番号 090-8558-9254
営業時間 11:00~17:00 (土日で9:00に開店する日も)
定休日 公式インスタグラムに毎月の営業日を掲示
アクセス 京浜急行バス「仲崎」徒歩2分
URL https://www.instagram.com/cafegallerysun/
Writer小林有希
東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。
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