北久里浜の老舗和菓子店「壺屋」。
名物「すかどら」やマドレーヌに加え、9月からは秋の練り切りも登場。
日々の暮らしに寄り添うお菓子を作る三代目・福波絵理さんの想いにふれます。
北久里浜の老舗和菓子店「壺屋」。
名物「すかどら」やマドレーヌに加え、9月からは秋の練り切りも登場。
日々の暮らしに寄り添うお菓子を作る三代目・福波絵理さんの想いにふれます。
秋はなぜだか和菓子がいただきたくなる季節。
お月見やお彼岸など、日本ならではの四季が楽しめるイベントがあるからでしょうか。
北久里浜の「和菓子司 壺屋」さんでも9月からは秋の和菓子が登場しています。
(上写真右上から時計回りに)「秋いろいろ」(300円)、「薄紅葉」(300円)、「千代菊」(300円)、「虫の音」(300円)などといった練り切りのほか、「栗っこ」(220円)、「栗味楽」(230円)、「薯蕷饅頭」(200円・写真中央)などの季節の素材を使った和菓子も登場します。
日によって店頭に並ぶものは異なるそうなので、ぜひ一期一会と思って出会った際は味わってみるとより季節を感じられそうです。
季節によって異なる商品がショーケースの中に並び、訪れる人の目も楽しませてくれます。
毎年の商品の大枠は決まっているものの、流行も取り入れつつ、少しずつアップデートされているのだそう。
店内に入り、向かって什器の左側に「すかどら」やマドレーヌ、右側には冷蔵が必要な和菓子たちが並んでいます。夏は涼しげな透明感のある和菓子がズラリ。
三代目・福波絵理さんと、お父さんの二代目・康博さんが一緒にお店を切り盛りされていますが、今は和菓子の製造は分業制なのだそう。
「父が引退したあとに、私がひとりで全部作るというのは難しいので将来的には商品数も減るかもしれませんね」
常にアップデートする和菓子を見続けられることは一期一会だと感じました。
絵理さんがお店に入られたのは20年ほど前のこと。
「大学を出てからしばらくはフラフラしていました(笑)。出版社でバイトしてギャル雑誌を作ったりとか……」
子どものころからお手伝いはされていたそうですが、お店に入る前には夜間で和菓子の学校にも通ったとのこと。
「父も大病をして足も少し悪くなって。姉はもう結婚して別の仕事をしていましたし、『やるなら私だな』と思って」
華やかな仕事ではないとおっしゃいますが大変だったことは? とお聞きすると「家事をやっている気持ちなんですよ」と意外な答えが。
「家業なので特殊なのかもしれませんが、特別なことをやっているというよりも、お掃除・洗濯・和菓子づくり、みたいな。父が働いているのもずっと見ていますし、もう生活の一部ですね」
取材中もひっきりなしに訪れる地域のお客様とのやりとりから、壺屋の和菓子が今や地域の人たちの日常の一部にもなっていることが伺いしれました。
取材日 2025/8/20
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information

和菓子司 壺屋
住所 神奈川県横須賀市根岸町3-11-9
電話番号 046-836-9797
営業時間 9:00〜18:00
定休日 木曜日
アクセス 京浜急行「北久里浜駅」から4分
URL https://www.facebook.com/kitakuri.tsuboya/
https://www.instagram.com/kitakuri_tsuboya/

Writerふくだりょうこ
大阪府出身、神奈川県の盆地住まいのライター。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。読書とカメラ、うさぎが好き。

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