今でも週に3日、自宅近くの直売所に立ち、お店の従業員とお昼をともにするのが日課の和子さん。このお昼ごはんは、畑からもどる家族や従業員のものも含めていくつかのおかずを手作りして、大きなおにぎりを1人1個ずつご自身の手で握って12時過ぎに直売所に運びます。この日のメニューは皆が大好きな「豚大根」。小さな鍋に入れて運び、直売所のストーブで温められました。
今でも週に3日、自宅近くの直売所に立ち、お店の従業員とお昼をともにするのが日課の和子さん。このお昼ごはんは、畑からもどる家族や従業員のものも含めていくつかのおかずを手作りして、大きなおにぎりを1人1個ずつご自身の手で握って12時過ぎに直売所に運びます。この日のメニューは皆が大好きな「豚大根」。小さな鍋に入れて運び、直売所のストーブで温められました。
大根の甘みを生かした薄味で上品な煮物です。少し甘めで汁多めに仕上げるのが和子さん流。ずっと作ってきた家族が喜ぶ1品を紹介していただきます。
<材料>
大根800g 豚バラ肉(焼肉用)200g にんじん中1本(200g) しょうゆ大さじ5 砂糖大さじ2みりん大さじ1 めんつゆ大さじ1 片栗粉小さじ4(水少々で溶く)
① 大根は大きめの乱切りに、にんじんは大根よりひと回り小さい乱切りにします。
乱切りは面が広いので、固い大根やにんじんも早く柔らかくなり、味も入りやすい煮物に向いた切り方です。
② 豚肉は3cmくらいの大きさになるように切ります。煮えやすいように厚すぎる場合は斜めにそぎ切りにします。
③ 大根とにんじんを鍋に入れ、かぶるくらいの水を注ぎ、火にかけて大根が透き通ってくるまで下ゆでし、湯を捨てます。
④ 新たにヒタヒタの水を加えて火にかけ、沸騰してひと煮したら豚肉を入れて5〜6分に煮ます。途中アクが出たら取り除き、豚肉の色が変わったら砂糖を入れ、弱火にして5分ほど煮ます。
まず砂糖だけで煮るのは、他の調味料を最初から入れると肉の水分が出てしまい柔らかくなりにくいから。砂糖を先に入れて煮ると後から入れる調味料も浸透しやすくなるという煮物のコツのひとつです。
⑤ みりん、しょうゆ、めんつゆを加え、ふたをして味が染みるまで弱火でコトコト煮ます。
⑥ 大根とにんじんが柔らかくなったら水溶きの片栗粉を加え、ゆっくり混ぜながら透き通るまで煮て火を止めます。
今回は大根に少しだけついていた葉の芯の部分を青みに飾りました。
この料理も多めに作って、煮返して食べると美味しいおかずです。一度冷めてから温め直すと、なおさら味が染み込んで深い味わいになるのが煮物の良いところ。薄味の汁も一緒に盛って召し上がってください。
毎日忙しいともこさんですが、日々台所に立ち続け、皆と一緒にごはんを食べるのは、食がコミュニケーションの上ではとても大切だと思っているから。海外からの農業研修生も一緒に食べることで「タイからきた子は柚子こしょうをあっという間にひと瓶使ってしまったのよ」など、言葉や習慣などの違いを知る助けになります。
農家に嫁いで、厳しい舅姑さんや夫との農作業に泣くような毎日の中、家族が美味しいと言ってくれるのが嬉しくて、料理を作ることで癒されてきたともこさん。頼まれて皆に料理を教えるようになってからは、絶えず研究も怠らず。
「忙しいけれど結局は楽しいんだよね」という言葉に、長年ひとつのことを続けてきた人の重みを感じました。
取材日:2024年3月10日
撮影:角田 洋一

Writer戸叶 光子
幼い頃から食べるのが大好きで、卵かけごはんは「黄身を崩さず自分でさっと混ぜながら食べたい」(当時は母親がよくかき混ぜて子ども達のごはんにかけてくれるのが普通だった)、「いちごは絶対潰さないで」(その頃のいちごは酸っぱくて、砂糖と牛乳をかけて潰して食べるのが定番だった)などなど、食べ方に変なこだわりをもつ子供だった。 大学卒業後は料理編集者の仕事に就き、その後、料理番組の制作にも40年ほど携わって食こそ人生の日々を過ごしてきた。キャンプ、バレエ、猫を愛し、料理、食材の取材はライフワークにしたいほど好き!

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