1953年ごろから逗子市駅前に構える逗子生産直売所は、新鮮な野菜を生産者から直接買うことができる貴重な場所。訪れた日は、元気な飯田さんご夫妻がお店を担当をされていました。
表通りから1本入った場所にあるのに、ひっきりなしに訪れるお客さん。妻の栄子さんは、品出しを手早く行いながら「今日はいつもより早く来たね、日が照ったから、ナスが大きく育っているよ」と話しかけてくれます。
農家に生まれた夫の豊さんは、16歳からお隣鎌倉駅のレンバイ(鎌倉市農協連販売所)で野菜を売り始め、逗子の直売所が始まってからは、こちらで販売していると言います。自分の畑で育てている野菜は、数えてみたら年間120種類もあったのだとか。「鎌倉野菜の違いは、食べたらわかるよ」と、にっこり。栄子さんも並べた野菜を見つめて「今は野菜が高いと言われてしまうけれど、種をまいたら時間も手間もかけないときれいにならないのよ」。野菜のおいしさには、年月をかけてきただけの自信があります。