PIZZAと書かれた銀色の煙突から煙がのぼると「miura pizza paradiso」が開店します。三崎の旬の食材をのせ、薪窯で焼き上げる本格的なナポリピザは、三崎を訪れる観光客や地元の人々に評判です。
シラス漁が解禁されると「シラスと塩レモンのピザ」(1500円・税込)が大人気のメニューに。塩以外に添加物は一切使用していない釜揚げシラスがたっぷり。神奈川県三浦市唯一の湘南しらす加工・販売を行う「君栄丸」のシラスを使っています。
ソースを引かない薄い生地の上にはシラス、チーズ、紫たまねぎ、バジル、そして塩麴で漬けた自家栽培のレモンがのっています。レモンが爽やかに香るピザはシンプルながら、シラスの旨み、紫たまねぎの甘さ、そして小麦の味わいを堪能できる1枚です。
店主の植田心さんは元々ピザが好きで、20代前半の頃は介護職の傍ら、近所のイタリアンでアルバイトをしてピザや料理の基本を学びました。しかし独立へと突き動かしたのはそれから10年以上経った、家族との手づくりピザ・パーティーでした。
「ふと自分が若い頃、ピザ屋になりたかったことを思い出したんです。コロナ禍の緊急事態宣言中だったので、アウトドア用のピザ窯を買って家でずっとつくっていました」
ちょうど友人から天然酵母「パラダイス酵母」を譲ってもらい、日々研究を続けた植田さん。昔のアルバイト先に相談しながら、夢への一歩を踏み出しました。
元々40歳で独立開業を考えていた植田さん。40歳の誕生日翌日に、「トライアルキッチン」で店舗を間借りして、試しに1日、ピザをお客さまに振る舞いました。
「めちゃくちゃ楽しくて、絶対にピザ屋をやろうと。翌日すぐに、ここのテナントのオーナーに電話しました。そしたらオーナーも元々ピザ屋を入れたかったらしく……2人の思惑が合致して、とんとん拍子で開店が決まりましたね」
しかし開店当初もまだコロナ禍でテイクアウト需要が高く、平日の昼間は介護職を続けながら、金土日のみ営業をしていました。社会情勢が変わるたびに営業時間を変え、3年越しで「miura pizza paradiso」を本業にでき、ようやく念願の独立を叶えました。
「今も多くの方にいらしていただいて嬉しい限りです。念願のピザ屋をもっともっと人々に好かれるようなお店にしたいですね。目標は三浦海岸にもう一店舗!」
取材日 2025/3/27
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
miura pizza paradiso
住所 神奈川県三浦市三崎町小網代419
電話番号 046-874-9198
営業時間 11:00〜15:00/ 17:00~21:00(月・木・金・土・日)
定休日 火・水曜
アクセス 京浜急行バス「名向小学校前」徒歩1分
URL https://www.instagram.com/miurapizza_paradiso/
Writer小林有希
東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。
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