【連載】旬の三浦野菜を美味しくいただく~大根~④農家に嫁いで62年 吉田和子さんに教わるふろふき大根

Release2025.12.30

Update2025.12.30

【連載】旬の三浦野菜を美味しくいただく~大根~④農家に嫁いで62年 吉田和子さんに教わるふろふき大根

Release2025.12.30

Update2025.12.30

海と魅せられて三浦の農家へ

三浦海岸駅から徒歩でもすぐ、元茅葺だったという大きな家で待っていてくださったのは、三浦大根でフルコース料理を提案するなど、83歳の今も生産者として美味しく食べてもらう工夫を発信を続ける、吉田和子(ともこ)さんです。家族の食事を作り、畑にも出て、大根の加工品を作り、直売所「ヤマサ園」にも立つという、超のつく働き者ですが「三浦には21歳の時に静岡の山側からお見合いに来たんだけど、駅に降り立った瞬間、目の前に広がる海に一目ぼれして決めちゃったの。まだ相手に会ってないのに!」と、自ら運転する車の中で話して下さいました。

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嫁いできた当時は作っていた大根はすべて、三浦大根(1本3〜4kg)だったそうで、畑で抜くのも運ぶのも重くて、作業の厳しさに泣かされたそうですが、その大根で家族のごはんや大根の加工品を作り続けてきたので、手間がかかっても愛着があり、今ではそれを伝えるのは自らの使命、と思い定め、日々体と手を動かし続けていらっしゃいます。地元の方はそんな和子さんが作る大根の甘酢漬けやハリハリ漬け、切り干し大根などの美味しさをちゃんとわかっていて、直売所で見つけると、「これこれ」と言って、待ちかねた様に買っていきます。

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そんなともさんに、愛する大根の美味しさをシンプルに味わう料理「ふろふき大根」を紹介していただきます。さらに、むいた大根の皮も捨てずに、ごはんがすすむ「きんぴら」にしていただきました。


「ふろふき大根」を作れば1本の大根もあっという間に食べてしまう

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大根は買ってきたら新鮮なうちに大ぶりに輪切りにして煮てみましょう。新鮮なほど早くほっこりと煮えて、シンプルなのにこの上ないごちそうになります。

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① 大根は真ん中の太いところを4cmの厚さに切ります。煮る時間は同じなので4〜6個ほど、一度に多めに煮ておくのがおすすめです。

② 大根は切ったら厚めにぐるりと皮をむき(皮はきんぴらにするので、ケチらずに思い切って厚めに)、切り口の角をごく薄く削ぐように落とします。

これを「面取り」と言いますが、ごく柔らかく煮ると角が崩れてしまうのを防ぐための下ごしらえです

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その後、大根の切り口を上にして真ん中に十文字に底まで包丁を刺して切れ目を入れます。これは早く柔らかく煮えるように、また、箸で切って食べやすいようのするためで、「隠し包丁」と呼ばれています。

③ 鍋に大根と大根に完全にかぶるくらいの水を入れて火にかけ、少し透き通るまで「下ゆで」します。

こうすると、次にだしで煮た時に、早く柔らかくなって大根の真ん中までしっかり味が入り、おまけに、大根特有のえぐみやにおいもとれて甘みが際立ちます。

下ゆでしないで味のついただし汁の中で煮ると、なかなか柔らかくならない上に、真ん中までほとほとに柔らかい、という本当のふろふき大根の美味しさを味わえないので、ぜひ省かずにやってみてください。

和子さんは忙しい時には、下ゆでの代わりに隠し包丁まで入れた大根を一晩冷凍し、翌日、凍ったまま煮るそうです。柔らかく煮えるまでの時間が大幅に短縮できるとのことです。

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④ 下ゆでした大根の湯を捨て、新たにかぶるくらいの水と5cm角に切っただし昆布を大根の数だけ、塩小さじ11/2、しょうゆ少々を加えて火にかけ、真ん中までごく柔らかくなるように、ふたをして煮ます。大根の中心に竹串を刺して、抵抗なくスッと通るまでが、煮上がりの目安です。

⑤ 煮ている間に練り味噌を作ります。

小鍋に味噌・砂糖・みりんを3対3対1の割合で入れて混ぜ、弱火にかけて混ぜながら、少しとろりとなるまで煮ます。煮る時間はほんのひと煮。焦がさない様に弱火です。

火を止めて、柚子があれば表面の黄色い皮だけをすりおろして加え、その後、横半分に切って汁も絞って混ぜます。柚子がないときは、このままでも良いですが、今回、和子さんは柚子こしょうを混ぜました。量は少々ですが、お好みで。これまた大人の味です。

 ⑥ 煮上がったら器にだし昆布を敷いて大根をのせ、練り味噌をかけます。

削いだ柚子の皮をみじん切りやせん切りで散らしたり、大根の芯のところにある小さな葉っぱを飾ったりするとちょっとオシャレになります

煮上がってすぐのふろふき大根は瑞々しくて新鮮な味わいです。是非、熱々で召し上がってください

おまけの「大根の皮のきんぴら」は白いごはんがすすんで困る!

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なぜか大根の本体より皮で作った方が美味しいのがこのきんぴらです。

きんぴらが食べたくてふろふき大根を作ったりして・・・と言いたくなるほど皮の歯ごたえが生きています

 <材料>

大根の皮300g  にんじん100g  油少々 ごま油少々 みりん・砂糖・しょうゆ・めんつゆ各大さじ1 七味唐辛子適量


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①  むいた大根の皮は厚みはそのままに7〜8mmの棒状に切り、にんじ大根より少し細めに切ります。 


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② フライパンに油少々を熱し、大根とにんじんを入れてしんなりするまでよく炒めます


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③ 調味料を入れ、汁気がなくなるまで弱めの中火で炒め、最後にごま油を回し入れ、盛りつけてから七味唐辛子をお好みの量ふります。

あっという間に大根1本食べてしまう

 ただ箸が通るというのではなく、芯まで柔らかく煮えたふろふき大根は「一切れでは終われない」、というくらい箸がすすみます。

大根を1本買ってくると余ってしまって、というご家庭も多いと思いますが、このふろふき大根は、くれぐれも人数分より多めに作ることをおすすめします。

練り味噌は冷蔵庫で保存していた場合は電子レンジでごく短時間温めて、必ず食べる直前にかけてください。

ちなみに、練り味噌は冷蔵庫で1週間以上保存ができるので、多めに作っても大丈夫。焼いた油揚げなどに塗って、さっと炙っても美味しいですよ。

余ったふろふき大根は、冷めたら煮汁ごと(煮汁は全量でなくても温め直しがきく最低量でOK )密閉容器に入れ冷蔵庫で保存し、温めなおして熱々を召し上がってください。温め直しは味が染み込んで、これまた出来立てとは違ったしみじみとした美味しさなので、それも多めに作るのがおすすめの理由です。

取材日:2024年3月10日

撮影:角田洋一

Writer戸叶 光子

幼い頃から食べるのが大好きで、卵かけごはんは「黄身を崩さず自分でさっと混ぜながら食べたい」(当時は母親がよくかき混ぜて子ども達のごはんにかけてくれるのが普通だった)、「いちごは絶対潰さないで」(その頃のいちごは酸っぱくて、砂糖と牛乳をかけて潰して食べるのが定番だった)などなど、食べ方に変なこだわりをもつ子供だった。 大学卒業後は料理編集者の仕事に就き、その後、料理番組の制作にも40年ほど携わって食こそ人生の日々を過ごしてきた。キャンプ、バレエ、猫を愛し、料理、食材の取材はライフワークにしたいほど好き!

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