京急線・逸見駅を降りてすぐ。金魚・錦鯉専門店「KIICHI」では、オーナーの青柳裕一さんが手塩にかけた金魚たちが生き生きと泳ぎ回っています。
京急線・逸見駅を降りてすぐ。金魚・錦鯉専門店「KIICHI」では、オーナーの青柳裕一さんが手塩にかけた金魚たちが生き生きと泳ぎ回っています。
店内は徹底した水質&衛生管理により、アクアショップ特有のニオイはなく、明るくクリーンな印象。水槽の前を人が横切ると、元気よく後を追ってくる金魚たちはとても愛らしく感じられます。
同じ種類の金魚でも、よく観察すると色柄、顔立ち、性格までそれぞれ異なります。日本では古くから観賞魚として親しまれてきましたが、いつしか「すぐ弱ってしまう」「長生きしない」というイメージがついてしまいました。
「色柄が綺麗でも、飼ってすぐに命を落としてしまうのは悲しいですよね。大量消費の時代を経て、金魚の命はいつの間にか軽んじられてきました。まずは“仕入れた金魚を元気にすること”。そのうえで、再現性のある飼育方法をお客さまに伝えることが大切です」
そんな想いから、青柳さんは独自に研究と検証を重ね、初心者の方でも生育環境を整えやすいオリジナルのコンディショナーと調整剤を開発しました。
「ドボドボ 飼育環境を整えるコンディショナー」(500ml 1500円・税込)は、水換えや立ち上げ時に使用することで、水質バランスをゆるやかに整え、金魚が過ごしやすい水質環境をサポートするコンディショナー。そして「調整剤」(500ml 1500円・税込)は、炭酸水素カルシウムを主成分とした水質調整剤で、水質をアルカリ寄りに保ちやすくすることで、水の急な変化をやわらげ、安定した飼育環境を保ちます。
「ネットにある飼育方法の多くは、飼い主たちの“経験則”なんです。でもそれが金魚にとって薬になるか、毒になるのか、深く検証されていない部分が多いんですよ。うちのコンディショナーは、薬機法の関係で効果効能は言えませんが、実際に使っているお店の金魚たちを見てもらえれば、きっと納得していただけると思います」
青柳さんは、自然に直に触れられる機会が減少した今、「子どもたちが生命と触れる体験をしてほしい」とも話します。
「四季を一緒にいくつか越えて、そして命の儚さを学ぶ。それも子どもにとって貴重な経験になると思うんです」
だからこそ青柳さんは不定期にワークショップや講習会(有料)を開催し、金魚の飼育方法、水質管理、病気の予防法など、ゼロから丁寧に説明しています。参加者には小学生の姿もあるのだとか。講習会では、“自宅で再現できる管理方法”にこだわり、飼育環境や金魚の個性に合わせてアドバイスしてくれるのも魅力です。
「口頭でアレコレ注意事項を言われるだけでは、結局わからない。だからきちんと教えたいんです。その代わり、講習料はいただきます。本気で学びたい人ほど、例え子どもでも、正しい知識に価値を見出してくれると思うので」
青柳さんがここまで金魚に向き合う背景には、ご自身が「病気で何度か死にかけた時期があったから」と話します。
「元々国産車ディーラーの店長として働き、生活も安定していたのに、この世界に飛び込んだのは、金魚を起点に社会に伝えられることがあると思ったからです。遠回りに見えても、私の発信が、誰かが飼育する喜びや命の尊さを知り、金魚文化を受け継ぐきっかけになれたらと思います」
InstagramやYouTubeでメッセージを発信し続ける青柳さん。きっと飼い主と小さな命の心強い味方になってくれるでしょう。金魚文化の入口として、「KIICHI」は今日も金魚たちの健やかな泳ぎを見守っています。
取材日 2025/11/25
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information

金魚屋 KIICHI
住所 神奈川県横須賀市東逸見町2丁目70
電話番号 046-874-7003
営業時間 10:00~19:00
定休日 なし
アクセス 京浜急行「逸見」徒歩4分
URL https://nishikigoi-kiichi.com/

Writer小林有希
東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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