自家焙煎珈琲と静かな哲学が息づく隠れ家「 Cafe du miconos(カフェ ミコノス)」。
分厚いシナモントーストの「サクッ」という音と香りと、五感で味わう贅沢な一杯が、心を穏やかに満たします。
自家焙煎珈琲と静かな哲学が息づく隠れ家「 Cafe du miconos(カフェ ミコノス)」。
分厚いシナモントーストの「サクッ」という音と香りと、五感で味わう贅沢な一杯が、心を穏やかに満たします。
大人気のシナモントーストセット(950円)は、コーヒーまたは紅茶から選ぶことができます。
コーヒーはオリジナルのミコノスブレンドです。
カップにコーヒーが注がれる音が、静かな店内にやさしく響き、立ち上る湯気がゆらぎ、深く香ばしい香りがそっと広がっていきます。
オレンジの縁取りが印象的なカップは、光を受けて、まるで一枚の絵のように美しく輝いていました。
ひと口含むと、まろやかな深みのある苦味とほのかな甘みが心を静かに満たしてくれます。
ゆっくりと時間をかけて味わいたくなる、優しい余韻のある一杯です。
ほどなく運ばれてきたのは、香ばしく焼き上げられた厚切りのシナモントースト。
表面には細かなシュガーがきらりと輝き、その上にのせられたアイスクリームがじんわりと溶けていきます。
ナイフを入れるたびに「サクッ」と小さな音が響き、ひと口ほおばると、カリッとした食感のあとに広がるシナモンの甘い香りに、心までとろけてしまうような幸福感。
香り、音、そして味わい、そのすべてが穏やかな時間を作り出しています。
店内には、常時約40種類もの生豆が並びます。
必要な分だけを、その都度、丁寧に焙煎。豆の状態を見極めながら仕上げることで、いつ訪れても、挽きたての香りと新鮮な味わいを楽しむことができます。
また、焙煎豆の販売も行っています。
人気の「ミコノスブレンド」(500円)の他にも「エチオピア モカ」(560円)、「エクアドル スプレモ」(600円)、「パプアニューギニア」(650円)など、世界各地から届く個性豊かな豆が揃います。
さらに、紅茶(500円〜)や自家製ジンジャーエール(600円)、クリームソーダ(500円)など、コーヒー以外のドリンクも充実。
季節や気分に寄り添う味わいが、カフェ時間をいっそう豊かにしてくれます。
横須賀中央駅から徒歩5分。
路地の一角に静かに佇む「Velo & Galerie Cafe du miconos(カフェ・ミコノス)」は、自家焙煎の珈琲と、ゆったりとした時間を味わえる隠れ家的なカフェです。
店主・藤本時生さんは、自転車店を開業する予定でした。
しかし、その計画が白紙になり、完全に自由な立場となったときに決意したのが、以前から温めていた「喫茶店を開く」という夢でした。
オープンから約7年、そして2022年2月、現在の場所へと移転し、新たなスタートを切りました。
店主の哲学は、静かでありながら揺るぎないもの。
扱う豆はすべてスペシャリティグレードですが、「スペシャリティ」という言葉をあえて掲げることはありません。
豆の産地や特徴を細かく説明し、味の感じ方を先に決めてしまう現代の風潮に対して、少し距離を置いています。
「自分で美味しいと感じること、それだけが正解です」
そう穏やかに語る姿からは、コーヒーへの純粋な愛が伝わってきます。
「チェリー」や「青りんご」「赤ワイン」といったフレーバーチャートの表現も、店主にとっては味覚を縛るものにすぎません。
お客様が自分の舌で感じるままの美味しさこそが、最も尊い。
ミコノスの一杯には、そんな店主の静かな信念が息づいています。
情報に頼らず、ただ香りと味わいに身を委ねる。
その瞬間に訪れる“心の静けさ”こそが、ここでしか味わえない贅沢です。
原材料の高騰が続くなかでも、「日常の中で楽しめる価格」にこだわります。
「流行や見せ方ではなく、味わう時間そのものを大切にしてほしい」
その想いが、一杯の中に静かに息づいています。
筆者が初めてミコノスに出会ったのは、2021年12月。
当時の店舗は移転準備中で、すでに店内は片付けられていました。
それでも、美しく整えられた空間の印象は鮮明に残っています。
コーヒーに詳しくない筆者が「深煎りで酸味が少ないコーヒーを」とお願いすると、
藤本さんは珍しい豆を選び、芳醇で深い香りの一杯を静かに差し出してくださいました。
ひと口飲んだ瞬間、喉を通る温かさとともに、ふわりと心がほぐれていくような感覚。
今でもそのときの香りと味わいを、はっきりと思い出します。
お店が変わっても、藤本さんが作り出す安心感と穏やかな空気はそのまま。
静かに流れる時間の中で味わう一杯のコーヒーは、この場所、この瞬間でしか感じられない唯一無二のもの。
店には、自転車ラックが設けられ、J SPORTSサイクルロードレース応援店としても親しまれています。
“Velo(自転車)”と“Galerie(ギャラリー)”
その名のとおり、走る人、創る人、語らう人が集う場所。
香りに包まれた穏やかな空気の中で、自分だけの一杯と向き合う。
そんな時間を求めて、今日も誰かが扉を開けます。
取材日 2025/11/10
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information

Velo&Galerie Cafe du miconos
住所 神奈川県横須賀市上町1丁目40
営業時間 12:00~19:00
定休日 金曜
アクセス 横須賀中央駅徒歩5分
URL https://www.instagram.com/miconos_cafe/

Writerうみのとなり
ライター歴5年 「横須賀っていいな」「行きたいな、住みたいな」と思ってもらえる情報を発信しています。 地元の美しい自然・歴史・地域のあたたかさと魅力を伝えたい!Yahoo!ニュースライター 500件以上取材実績あり。地域クリエイター月間MVA2024年11月、7月、2023年7月連続受賞。

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