三浦半島の南西端にある港町・三崎町(みさきまち)。まぐろ漁で栄えたまちとして知られていますが、鎌倉時代には源頼朝に愛された桜の名所でもあります。
取材当日はあいにくの雨。
そんな中、本来定休日にもかかわらず、「ダイニング&カフェ ココナツ」さんは取材のために快く開けてくださいました。「みさきまぐろバーガー」や、とろけるチーズでまるごと包むチーズバーガー「チーズモンスター」で知られるカフェレストランです。
お店のオープンは2021年。オーナーの山田紗由美さんは生まれも育ちも三崎町です。まぐろ漁で栄え賑わった時代にこの商店街で幼少期を過ごし、当時憧れのあんみつやさんがあったといいます。
「そこのあんみつがもう大好きで、いつかこんなお店をやってみたいと、小さな頃から母と話していたんです」
いつかいつかと夢に見たまま時が経ち、お母様は天国へ旅立たれてしまいました。紗由美さんにとって、母の味と言えばお粥だったといいます。
「昔は電子レンジなんてなかったから、冷えたごはんを温め直すのに、母はよくお粥やおじやを作ってくれました。だからわたしもお粥は得意料理で自信もあったんです」
横浜の有名ホテルで中華のシェフをしている紗由美さんの息子、脩斗さんにもその得意料理は引き継がれ、家で初めて作ってくれた料理は紗由美さんの大好きなお粥だったそう。
「悔しいけど、それが本当においしくて。ご近所に配ってお裾分けしたんですよ。そしたらみんなもおいしい、おいしいと言ってくださって。そんなに好評ならお店をもちた〜いって話していたら、近所のみなさんに“ここの場所が空いてるよ”と言われて、あれよあれよとお店を持つことになりました」
現在はホテルの仕事がお休みの時に脩斗さんが厨房に入り、料理の仕込みも行っています。
看板メニューは「みさきまぐろバーガー」。すぐ近くの三崎漁港で卸したメバチマグロを使っています。
「ダイニング&カフェ ココナツ」ではテイクアウトにも対応していますが、オリジナルのお土産も豊富。
港町に旅に出て困るのがお土産じゃないでしょうか。お魚料理はおいしいけれど、生ものを持ち帰るわけにも行かない。「ダイニング&カフェ ココナツ」なら、オリジナルコーヒーや、伝統芸能「チャッキラコ」のもなか、お店を始めるきっかけになったお粥をはじめ、地元の方が作ったアクセサリーなどお土産にぴったりの商品があります。
お店を開くきっかけとなったお粥のお土産もあり、家で作ってみました。
作り方は簡単。レトルトパウチを5分間湯煎するか、中身を器に移して電子レンジ500wで2分間加熱するだけ。写真は「三崎まぐろ角煮粥」(648円)です。
中にはごろんとしたまぐろの角煮が!
そのまわりを青梗菜とパプリカで彩ってみました。
お米の一粒一粒がふんわりほどけていて、自分で作るお粥と明らかに一線を画しています。それは口にしたときの舌触りも同様で、お米のおいしさ、お水のおいしさ、そして甘しょっぱくてコクのある、まぐろの角煮の旨味がじんわりいきわたります。
これが自宅で楽しめるとは……。
笑顔のあふれる「ダイニング&カフェ ココナツ」は、三崎町観光の拠点になりそうです。
取材日 2025/03/03
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
ダイニング&カフェ ココナツ
住所 神奈川県三浦市三崎3-3-2
電話番号 046-845-6665
営業時間などの情報 火〜金 10:00〜20:00(LO19:00)土日 9:00〜20:00(LO19:00)
定休日 月曜
アクセス 京浜急行バス「三崎港」徒歩1分
URL https://www.instagram.com/coconatu10/
Writerコヤナギユウ
幸せになることだけを考えて生きている旅と遊びの散文家で写真家。スキンダイビングが趣味で、カナダ観光局「オーロラ王国ブロガー観光大使」、チェコ親善アンバサダー2018、神社検定3級。本業はグラフィックデザイナー。
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