いよいよ大根シーズンが到来。 直売所に立ち寄ると、「紅くるり大根」や「紅芯大根」、「味いちばん」など、大根のバリエーションの豊かさに驚かされます。 実は、こうした様々な大根のラインナップの中には、三浦大根を親に持つ品種も多く存在しているのだそう。
そこで今回は、シェフからの信頼も厚く、年間150種類もの野菜を育てる「少量多品目栽培」のスペシャリスト、「髙梨農場」の髙梨雅人さんのもとへ。 三浦大根の遺伝子を受け継ぐ、ユニークな大根たちについて教えていただきました。
Release2025.12.12
Update2025.12.12
Release2025.12.12
Update2025.12.12

いよいよ大根シーズンが到来。 直売所に立ち寄ると、「紅くるり大根」や「紅芯大根」、「味いちばん」など、大根のバリエーションの豊かさに驚かされます。 実は、こうした様々な大根のラインナップの中には、三浦大根を親に持つ品種も多く存在しているのだそう。
そこで今回は、シェフからの信頼も厚く、年間150種類もの野菜を育てる「少量多品目栽培」のスペシャリスト、「髙梨農場」の髙梨雅人さんのもとへ。 三浦大根の遺伝子を受け継ぐ、ユニークな大根たちについて教えていただきました。
最初に見せていただいたのは、鮮やかな赤色が特徴の「レディーサラダ」です。
「これは三浦市農協のオリジナル品種で、片親は三浦大根。他の大根にはない綺麗な赤色は、もう片方の親であるアメリカやドイツ系のラディッシュから受け継いだもの。うちのお客さんは料理人の方が多いので、サラダや酢漬けの彩りとして重宝されていますね」と髙梨さん。
実はこのレディーサラダには、「ニューレディーサラダ」、「小桜」、そして「淡桜」の姉妹品種がいます。
「ニューレディーサラダを作り続けているのは、もううちだけかも。そして僕の一番のおすすめは『淡桜』ですね」。 淡桜の上品な桜色はとても印象的でした。
取材中、髙梨農場で育てているカラー大根の断面を比較して見せてくださいました。 これだけ個性があると、それぞれ酢漬けにした時にどんな色の染まり方をするのか、試してみたくなりますね。
さらにサラダ大根以外にも、三浦大根の子ども達は数多く存在し、地域に根づいているのだそう。
「40年前の三浦大根の食味そのまんまなのが、『おふくろ』という大根。形の揃いは悪いけれど、味はピカイチですよ」と、髙梨さんが教えてくださいました。
三浦大根との掛け合わせでこれほど多くの品種が誕生しているのは、青首大根とはひと味異なる独特の食味が評価されているからこそ。「もっと小ぶりな三浦大根が欲しい」。そんなニーズに応えて生まれた新しい大根たちは、生産者、種屋、農協など三浦野菜に関わる方々の試行錯誤の結晶です。
核家族化や共働きが進み、3kg以上もある三浦大根を手にする人は減ってしまい、今や出荷量はわずか1%。 それでも、「自分たちが作らなければ絶滅してしまう」という責任感と隣り合わせで、三浦大根の生産を続けています。そして伝統の味を大切に残しつつ、三浦大根のルーツを持つ新しい品種に挑み続けています。
「守る」ことと「変わる」こと。その両方を大切にする姿勢に、三浦野菜の奥深さと、生産者の情熱をひしひしと感じました。
本連載と連動して、ファッションデザイナーの髙島一精さんと共に開発を進めてきた「三浦大根BAG」。ついにサンプルが出来上がりました!発売より一足お先にお披露目します。
コンセプトは、「3~5kgにもなる立派な三浦大根を、もっと気軽に、楽しい気持ちで持ち帰る」こと。 そんな私たちの想いを、髙島さんが「ワクワクするファッションアイテム」にしてくださいました。
三浦大根を持ち帰る時は、ショルダーバッグのように背負ったり、肩にかけたり。両手が空くので重さを感じにくく、軽やかに持ち運べます。 長さが60㎝あるので、三浦大根以外にも、長ネギ、ゴボウ、フランスパン、一升瓶など、長さのある食材や荷物を運ぶ時にも重宝しそうです。
また、「三浦大根を運ぶ時以外も、毎日の暮らしの中で楽しんでほしい」という髙島さんのアイデアで、折りたたんでスナップボタンを留めると、可愛い大根モチーフのミニトートに変身します。
お財布やマイボトルなど、お出かけの必需品が入るサイズ感に、内ポケットも!一年中活躍してくれる相棒になりそうです。
髙島さんの遊び心と細部へのこだわりが詰まった三浦大根バッグは、12月24日(水)より発売スタートです。この冬は、お気に入りの一本をこのバッグに入れて、三浦の伝統の味をご家庭で楽しんでみませんか?
取材日 2025/11/4
撮影 角田洋一
髙島 一精/ Kazuaki Takashima
1973年 熊本生まれ。
文化服装学院を卒業後、株式会社イッセイミヤケに入社。
株式会社三宅デザイン事務所に移籍し「ISSEY MIYAKE」、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のデザインチームに参加する。
2005年に株式会社エイ・ネットから自身のブランド「Né-net」がデビュー。
派生ブランド「にゃー」とともに、国内外で多くのファンをつかむ。2020年に独立し、「This is not a cat.」と称した活動をスタート。ファッションデザインに留まらず、キャラクターデザインや作品制作など、共感でつながる人に届く距離感でものづくりを続けている。

髙島 一精/ Kazuaki Takashima
1973年 熊本生まれ。
文化服装学院を卒業後、株式会社イッセイミヤケに入社。
株式会社三宅デザイン事務所に移籍し「ISSEY MIYAKE」、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のデザインチームに参加する。
2005年に株式会社エイ・ネットから自身のブランド「Né-net」がデビュー。
派生ブランド「にゃー」とともに、国内外で多くのファンをつかむ。2020年に独立し、「This is not a cat.」と称した活動をスタート。ファッションデザインに留まらず、キャラクターデザインや作品制作など、共感でつながる人に届く距離感でものづくりを続けている。

Writerいとうまいこ
大学卒業後、大手家電メーカーで商品企画や展示に関わる。そのときの経験からテキスタイル(布)に関わる仕事をしたいと考え、2023年にテキスタイルのギャラリー「Casa de paño」を鎌倉で開業。展覧会やワークショップの企画に加え、三浦半島の豊かな自然や生き物、暮らしをモチーフにした布製品の商品企画を行っている。本企画は、三浦半島で暮らす人・営む人へのインタビューをもとに、もようのデザインを通して地域の魅力を再発見し共有する試みです。

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