子どもたちの瞳を一瞬で輝かせ、大人の胸の奥に、懐かしくて温かい記憶を呼び起こしてくれる存在。葉山の住宅街で出会える「コニーのチョコバナナ」には、そんな不思議な力があります。
子どもたちの瞳を一瞬で輝かせ、大人の胸の奥に、懐かしくて温かい記憶を呼び起こしてくれる存在。葉山の住宅街で出会える「コニーのチョコバナナ」には、そんな不思議な力があります。
コニーさんのチョコバナナを手に取ると、まず目を奪われるのは、つややかに輝くチョコレートです。驚くほどなめらかなコーティングからは、カカオの甘く濃い香りがふわりと立ち上がります。ひと口かじると、パリッとした食感のあとに、コクのあるチョコレートが広がり、バナナのやさしい甘さを包み込みます。そして、思わず頬がゆるんでしまう理由が、その表情。つぶらな瞳にはボーロ、口や鼻にはポテコの装飾が、一つひとつに個性を与えています。食べる前にしばらく眺めてしまうのも、無理はありません。葉山での販売では、子どもたちがお小遣いで購入できるようにローカルプライス1本300円(税込)。イベント時はデザインにより価格が異なります。
「簡単そうに見えるでしょ。でも、実は時間との戦いなんです」キッチンカーの中で、コニーさんの手元は一瞬も止まりません。バナナをチョコレートにくぐらせた瞬間から、カウントダウンが始まります。チョコレートが固まるまでの猶予は、わずか30〜40秒。その間に、ボーロの目、ポテコの口、チョコパーツを一気に配置していきます。迷いは許されない、まさに一瞬の集中です。完成したチョコバナナは、有孔ボードを使った特製ディスプレイへ。「どれにしよう?」と選ぶ時間まで含めて、コニーさんのチョコバナナは、ワクワクする体験になっています。
このユニークなチョコバナナを作っているのが、コニーさんです。チョコバナナ作りを始めたのは2022年。自作の屋台からスタートし、地域や各地のイベントに出店してきました。当時、PTA会長として子どもたちを見守っていたコニーさん。運動会や修学旅行、文化祭など、当たり前だった学校行事が、コロナ禍で次々と中止になっていく現実を目の当たりにします。
「子どもたちの楽しい思い出が、一気になくなってしまった」その悔しさが、心に深く残りました。給食や遠足、駄菓子屋を楽しみに育った世代だからこそ、子どもたちの喪失感が、他人事とは思えなかったのです。「だったら、自分が楽しい場所を作ればいい」その想いが、行動の原点でした。
実は最初から、チョコバナナを作ろうと決めていたわけではありません。「子どもが本当に喜ぶものは何だろう」と考える中で、偶然目にしたのが“顔のついたチョコバナナ”でした。昔ながらのチョコバナナもいいけれど、顔があったら、きっと笑ってくれる。その瞬間、「駄菓子屋への憧れ」と「子どもたちへの想い」が、重なりました。こうして、コニーさんのチョコバナナは生まれました。
「60歳を過ぎたら、仕事のためじゃなく、自分の好きなことをして生きたい」
子どもたちへの想いと、自身の人生の節目が重なり、大きな決断を下します。雑誌で見かけた一台のトレーラーハウス。「この形、いいな」その直感を信じ購入しました。これまでは自作で台を作って販売していました。しかし、どうしても外気にさらされ、衛生面が気になるもの。キッチンカーを選んだ理由も、子どもたちと親への配慮からでした。キッチンカーで作ることで、「ここなら安心」と思ってもらえる環境を整えました。「親御さんが安心して買えることも、大事です」その言葉どおり、コニーのチョコバナナは“安心して買える手作りおやつ”として、地域で大人気です。
現在、葉山の静かな住宅街で、毎週水曜日に「チョコバナナウェンズデー」として営業しながら、各地のイベントにも出店しています。学校帰り、部活帰りの子どもたちが、「コニーさーん!」と手を振りながら集まってくる光景は、すっかりこの街の日常になりました。
「水曜日になれば、コニーさんに会える」そんな安心感と楽しみが、子どもたちの一週間にそっと組み込まれています。特別な日でなくても、何もない一日でも、少しだけ心が弾む。その小さな積み重ねが、日常を豊かにしていくのかもしれません。チョコバナナを通して、子どもたちの笑顔を守り、地域のつながりを温め続けています。今日もまた、水曜日の街角で、甘い香りと優しい時間が流れています。
出店予定については、Instagramでご確認ください。ぜひ楽しくて愛が溢れる「コニーのチョコバナナ」を手に取ってみてください。
取材日 2025/11/26
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
チョコとバナナの店 「コニーのチョコバナナ」
住所 神奈川県葉山町一色1437-3
営業時間 14:00〜18:30
定休日 月曜・火曜・木曜〜日曜
アクセス 京急線逗子・葉山駅からバスに乗り、「葉山小学校」下車徒歩数分
URL https://www.instagram.com/koni_chocobanana/

Writerうみのとなり
ライター歴5年 「横須賀っていいな」「行きたいな、住みたいな」と思ってもらえる情報を発信しています。 地元の美しい自然・歴史・地域のあたたかさと魅力を伝えたい!Yahoo!ニュースライター 500件以上取材実績あり。地域クリエイター月間MVA2024年11月、7月、2023年7月連続受賞。

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