【横須賀】スパイス文化を横須賀から「あの音」三橋孝一さんの南インド式定食ミールス

Release2024.12.17

Update2024.12.18

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【横須賀】スパイス文化を横須賀から 「あの音」三橋孝一さんの南インド式定食ミールス

Release2024.12.17

Update2024.12.18

南インド料理にインスパイアされたミールスが楽しめる「あの音」

「うちはカレー屋なのかな……」。

取材はオーナーの三橋孝一さんの自問からはじまりました。

ランチはミールスと呼ばれる、南インドの定食スタイル。小鉢をひと口いただくと、カルダモンやシナモンの芳香さ、タマリンドの酸味が口の中に力強く広がりました。

「『あの音』はカレー屋として紹介されることが多いんですけど……」。

“カレー”とはタミル語のカリ(辛い汁)が語源です。

15〜17世紀の大航海時代、インド植民地化政策に伴い、スパイスが西洋社会に伝わりました。19世紀初頭、スパイスと小麦粉による「カレーパウダー」を使った煮込み料理がイギリスに広まり、やがて明治の日本に「カレーパウダー」と西洋風煮込み料理が伝わります。これが現在、日本で知られるカレーライスとして定着しました。

「自分としては歴史に翻弄されたカレーライスではなく、原点である南インド料理を提供しているつもりなんです。『あの音』をあえてカテゴライズするなら南インド料理インスピレーションの店、ですかね」。

日本人向けにはしない。オーセンティックな南インド料理へのこだわり

「味付けはできるだけ、現地のままに」。

三橋さんは自らを原理主義者といいます。人気のランチは南インドのスパイス料理がたっぷりと楽しめる構成です。

「ランチは日替わりです。今日のカレーはマトンとミーンモリー(魚)を中心にして、真ん中のドーナツはワダといって豆を揚げたものです。チャトニをつけたり、ラッサムに浸して食べてください」。

本場の味を探求するため、海を渡った三橋さん。

「南インドのタミルナードゥ州にいき、地元のインド料理を学びました。インドのお母さんから家庭料理を学び、ホテルではレストラン向けの料理を教えてもらいました。とても感動したことを覚えています。横須賀の皆さんにその味をそのまま伝えたいんですよ」。

スパイスへの飽くなき探究心で「横須賀まさら倶楽部」も誕生

三橋さんは横須賀のスパイス料理好きとともに「横須賀まさら倶楽部」を結成しています。メンバーはスパイスやカレーを探求する仲間たちです。2024年8月には横須賀市上町で「横須賀スパイス祭」を開催しました。今、横須賀からスパイス文化が花開こうとしているのです。

取材日 2024/11/19

店内にはスパイスソムリエの証しも。スパイスだけでも販売されています。

お店はビルの2階。角を曲がった場所にあるので、看板を見逃さないように注意。

ファミリー向けの席もあります

Writerしゅんどう

三浦半島在住。「カピバラ写真展」をよこすかポートマーケット、ソレイユの丘などで開催し、自身はカピバラ紙粘土の造形、カピバラ絵本制作を行っている。

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