三浦半島の豊かな土地で育った「自然の恵み」を生かしたビールをつくること。それは横須賀のブルワリー「三浦ペニンシュラビール」の信条です。
代表の廣瀬静佳さん、静佳さんの母親・直子さん、そして醸造責任者の柳町みゆきさんのたった3名で立ち上げた小さな醸造所では、日本人がもつビールの固定観念を吹き飛ばすような風味豊かなビールを丁寧につくっています。
三浦半島の豊かな土地で育った「自然の恵み」を生かしたビールをつくること。それは横須賀のブルワリー「三浦ペニンシュラビール」の信条です。
代表の廣瀬静佳さん、静佳さんの母親・直子さん、そして醸造責任者の柳町みゆきさんのたった3名で立ち上げた小さな醸造所では、日本人がもつビールの固定観念を吹き飛ばすような風味豊かなビールを丁寧につくっています。
ひつじ雲のようにふわふわとした軽い口当たりのクラフトビール「ひつじ雲ヴァイツェン」。神奈川県ブランドである湘南潮彩レモンが爽やかに香りながらも、ウィートモルト特有のやさしい甘さを感じられる一杯です。
「レモン味ではなく、ふわっと優しく香りが広がるビールにしたかったんです。酸味の強い果汁を入れると酵母がびっくりしてしまうので、レモンゼスト(皮)だけを皆で手作業ですりおろして使っています」
そう話すのは醸造責任者の柳町さん。レモン特有の苦味とホップの苦味がそれぞれ効果的に働くように、ホップは産地・品種を厳選して、混ぜ込む比率も他のビールと変えているそうです。潮彩レモンもJA経由で集まった傷アリものや規格外品を使うことで、環境への配慮も忘れていません。
柳町さんがビールの風味や香りにこだわる背景には、香りの分析科学者としての経歴だけでなく、イギリスへの留学経験があります。現地では北東部の醸造所を何十軒も周り、ビール醸造見習いとして経験を積みながら「ビールの自由さとカラフルさ」に気付いたそうです。
「イギリスでは麦の風味を楽しむために、ビールを常温で飲むことが多いんです。赤ワインと一緒ですね。あとはスイーツと合わせるものや、フライドポテトをディップするスタウト(黒ビール)など、食事とのペアリングを楽しむ文化もあります」
日本では喉越しの良いラガーへの信望が厚いため、風味にこだわったビールづくりはある種、挑戦です。しかしイギリスで感じた「自由さ」が柳町さんの背中を押したおかげで、美味しい「ひつじ雲ヴァイツェン」が生まれたのです。
「私自身が醸造しているのではなく、酵母がビールをつくっています。だから、私はあくまで酵母のアシスタントとして、できる限りのことをお手伝いするんです」
醸造タンクは温度や圧力を0.1度単位で管理することで、柳町さんは酵母が心地よく働ける環境を整えています。酵母は肉眼では見えませんが、夏は「暑いとかわいそう!」と人間よりも酵母を優先してエアコンの温度を下げるなど、酵母に寄り添う姿も。
「酵母は生き物なので、毎回微調整します。何かがズレれば素材が喧嘩し合って、香りが強くなったり、反対に物足りなかったりしてしまいます」
2025年9月現在、展開しているビールは限定フレーバーやコラボ商品も含めて5種類。今後挑戦してみたいビールの種類などを伺うと、柳町さんは「酵母の好調不調をいち早く察知してチューニングできるようにスキルを上げたい」とのこと。その目には、顕微鏡サイズのパートナーへの愛が宿っていました。
取材日 2025/08/21
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information

三浦ペニンシュラビール
住所 神奈川県横須賀市長井1丁目22−15
電話番号 050-8889-3378
営業時間などの情報 ー
定休日 ー
アクセス 京浜急行バス「長井」徒歩1分
URL https://mp-beer.com/

Writer小林有希
東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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