澄み渡るスープに映える、茶色い焼き色のチャーシュー。
皮目から中身まで鮮やかなグラデーションに惹かれ、スープをいただくよりも先におもわず箸が伸びてしまいます。
一口かじってみると、焼き色部分に心地よいハリが。余計な脂を持たず、肉の旨味だけをぎっしりと詰め込んだようなチャーシューは素朴でシンプル。
澄み渡るスープに映える、茶色い焼き色のチャーシュー。
皮目から中身まで鮮やかなグラデーションに惹かれ、スープをいただくよりも先におもわず箸が伸びてしまいます。
一口かじってみると、焼き色部分に心地よいハリが。余計な脂を持たず、肉の旨味だけをぎっしりと詰め込んだようなチャーシューは素朴でシンプル。
まぐろ漁で栄えた小さな港町・三崎町(みさきまち)はヨットやクルーザーなどマリンアクティビティを楽しみに来る観光客にも人気の観光地です。「中華料理 牡丹」は地元の人なら知らない人はいないという町中華の名店。
場所は三崎漁港の目の前にある三崎公園から、三崎銀座商店街を2分ほど歩いたところにあります。
4人掛けのテーブル席が2つに、カウンターが4席。奥には20名まで利用できるお座敷も。
お店のはじまりは70年以上前。お腹を空かせた漁業関係者のお腹を満たす大衆食堂から始まったそうです。そして42年前、3代目店主である溝川利則さんがお店を継ぐ前に横浜中華街で修行していたことをきっかけに中華料理屋へ。
提供する料理や内装は何度も変わってきているけれど、場所は変わらず。店内をよく見ると、街並みやお店のスケッチが飾られています。
「これは2019年に放送されたドラマの美術さんが描いたもので、いただいたんです。うちもロケ地として使ってもらって」と溝川さん。
「今日は天気が悪いから軒先に何も出してないけれど、いつもは店頭でチャーシューを焼いてます。だいたい毎日9時に焼きはじめて、12時頃に焼き上がります」
お店の軒先にある寸胴のような釜の内部に吊るし、炭火で焼き上げるそうです。
「他のお店ではだいたい食紅が使われるんだけど、うちのは焼き色だけ」
着色料を使用しない茶色いチャーシューは、好奇心と食欲を刺激します。吊して焼くことで余計な脂が落ち、炭火が香ばしさを際立たせているようです。
この「炭火焼叉焼(チャーシュー)」(1,700円)が入った「叉焼云呑(チャーシューワンタン)麺」(1,050円)は人気料理のひとつ。
麺はツルッとした玉子麺で、ワンタンは小ぶり。鶏がら出汁のあっさりスープによく合います。
これぞ引き算の美学。何度食べても飽きることがない、まさに地元で愛される逸品です。
取材日 2025/03/03
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
中華料理 牡丹
住所 神奈川県三浦市三崎3-4-10
電話番号 046-881-3420
営業時間などの情報 ランチ11:30〜(L.O.なし)ディナー17:00〜(L.O.なし)(月火水)14:30〜17:00休み
定休日 木曜
アクセス 京浜急行バス「三崎港」徒歩2分
Writerコヤナギユウ
幸せになることだけを考えて生きている旅と遊びの散文家で写真家。スキンダイビングが趣味で、カナダ観光局「オーロラ王国ブロガー観光大使」、チェコ親善アンバサダー2018、神社検定3級。本業はグラフィックデザイナー。
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