お店の中に入るとふわりと鼻をくすぐるコーヒーの香り。カウンター席ではコーヒーと読書を楽しむ人、オーナーの長谷川晃平さんや奥様の瑞穂さんとのおしゃべりを楽しむ人とさまざまです。
こちらの「BREATHER COFFEE」では、浅煎りのスペシャルティコーヒーとスイーツを楽しむことができます。
この日、いただいたのはフラットホワイト(640円)というコーヒーと、ラミントン(470円)と呼ばれるオーストラリアのケーキです。
フラットホワイトは日本ではあまり聞きませんが、オーストラリア発祥のコーヒー。エスプレッソにスチームミルクを加えています。ミルクの甘みも感じられながらもエスプレッソのしっかりとしたコクがあり、スイーツとの相性もバッチリ。
逗子駅から歩いて6分ほどのところにある「BREATHER COFFEE」。
白を基調とした店内はとても明るく、外からは柔らかな陽の光がたっぷりと注いでいます。
「神奈川を中心に、いくつか物件を探していたんですけど、なかなかしっくり来るものがなくて。逗子は来たこともなかったんですが、歩いていたら町自体を気に入って。そうしたら偶然、この物件を見つけて決めました」と長谷川さん。
前は整体院だったそうで、天井を高く確保して解放感のある空間に改装しました。
店内には焙煎機があり、仕入れたコーヒー豆もそれぞれこだわりを持って焙煎しています。
環境や産地によって味も変わるコーヒー豆の良さを最大限に引き出しており、これまでのコーヒーに対する固定概念を覆してくれるような出会いもできます。
大学卒業後に空間設計会社で約3年、さらに鎌倉にあるスターバックスに1年勤めたあと、オーストラリアのメルボルンへ。そこでコーヒーを学ぶために修行を……と考えていたわけですが、想像以上に現地で職を得るのに難航。
「メルボルンはとにかくカフェが多く、人々の日常にコーヒーを飲む習慣が溶け込んでいます。習慣の違いなどもあって、最初は履歴書も読んでくれない状況が続きましたが、なんとか潜り込めたんです。それまでにかなりの時間を要しました」。
信頼できるカフェに勤め経験を重ねていく中で、ヘッドバリスタも務めるまでに。奥様の瑞穂さんともメルボルンで出会いました。
「もともとは、メルボルンでカフェを開店しようと思っていたんです」。
その考えが変わったのは日本に一時帰国したとき。日本のコーヒー事情に触れ「これからおもしろくなっていきそう」という予感を信じ、帰国して2018年の開業に至ります。
しかし、開業後は順風満帆というわけではありませんでした。
全世界を襲ったコロナ禍はもちろんのこと、お店の上の物件からの水漏れが原因で、大きな損害を被ることに。
「そのときは本当にダメかと思いました。それでも今続けられているのは、周りのみなさんのおかげですね。クラウドファンディングでは、遠くの同業者さんからも応援していただいて今日まで続けられています」。
地元のお客様、そしてBREATHER COFFEEのコーヒーを愛する人たちに支えられて、長谷川さんは今日も最高の一杯を届けます。
取材日 2025/02/07
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
BREATHER COFFEE
住所 神奈川県逗子市逗子7−6−33 塩沢ビル1階
電話番号 046-815-6885
営業時間 8:00〜17:00
定休日 不定休
アクセス 「逗子・葉山駅」から約8分 「逗子駅」から約5分
URL https://breathercoffee.com/
Writerふくだりょうこ
大阪府出身、神奈川県の盆地住まいのライター。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。読書とカメラ、うさぎが好き。
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