子供のころ、私は小さな100円玉をしっかりと握りしめ、近所の駄菓子屋へと向かいました。店の扉を開けると、甘い香りがふわりと漂い、色とりどりのお菓子たちが目の前に広がります。宝の山のように、心はワクワクでいっぱいに。
「はい、おつり300万円ね」と、店主のユーモアが溢れる一言とともに、駄菓子屋特有の温かい雰囲気が広がります。思わず微笑んでしまう、そんな瞬間。
駄菓子問屋 福吉屋商店にはお菓子は500種類以上、雑貨は300種類以上の取り扱いがあります。
店内に一歩足を踏み入れると、山積みの多種多様なお菓子に圧倒されます。
「うちで昔からよく売れているのはこのお菓子ですね。おやつカルパスのミックスピザ味は新商品ですよ」と店主 石濃さんが出して下ったのはマーブルガムオレンジ味やフィリックス、モロッコヨーグルト、おやつカルパス、かるめ焼きを棒にさした「棒かる」、さくら大根。
時代は変わっても、今でも多くの人々に愛され続けているベストセラー商品です。レトロでカラフルなパッケージに懐かしい思い出が一瞬にして蘇ります。
京急線 県立大学駅から徒歩2分のところある福吉屋商店は、昭和21年創業の老舗駄菓子問屋。店主が厳選した数えきれないほどの駄菓子や雑貨が並び、三浦半島でも屈指の品揃えを誇ります。
昔懐かしい駄菓子から最新のトレンド商品まで、時代の流れに合わせた多彩なラインナップが楽しめます。
お菓子は箱売りが基本で、割引価格で販売しています。
福吉屋商店には取引先の小売店のほか、個人のお客様、保育園や学童、町内会、老人ホーム、さらには地域のイベントなど、さまざまなシーンで利用されるお客様が多く訪れます。
福吉屋商店 3代目店主 石濃正彦さんは24歳で家業を継ぎ、店を守り続けています。
「今やネットで何でも手に入る時代ですが、昔ながらの対面接客を大切にしています。お客様が何を求めているのかを理解し、売りたいものではなく、喜んでいただける商品を提案することで、信頼関係を築いてきました。『あの商品、良かったよ!売れたよ』や『子どもたちが喜んでくれた』というお客様の声を聞くたびに、利益だけを追求するのではなく、真っ当な商売をしてきたことで生まれたお客様とのつながりを感じます」と話します。
定期的に入荷する商品の整理や発注を行いながら、時間があるときには常連のお客様と交流する時間を持つなど、地域の憩いの場にも。
東京の三社祭を皮切りに全国的に夏祭りの季節が到来します。イベントや夏祭りの時期に向けて、花火や水鉄砲、シャボン玉などの季節商品を大量に発注します。繁忙期には午前3時まで発注伝票を書き続けたこともあったのだとか。
福吉屋商店は色鮮やかなパッケージとともに、心の奥深くに刻まれた、子どもの頃の無邪気な日々を呼び覚ます、まさに夢のような空間です。世代を超えて人々にワクワク感と夢を届け続けています。
取材日 2025/3/28
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
福吉屋商店
住所 神奈川県横須賀市安浦町2-25
電話番号 046-822-2504
営業時間 9:30~18:00 日曜休み
アクセス 京急県立大学駅から徒歩2分
URL https://www.sukaichi.com/shop.php?tel=0468222504
Writerうみのとなり
ライター歴5年 「横須賀っていいな」「行きたいな、住みたいな」と思ってもらえる情報を発信しています。 地元の美しい自然・歴史・地域のあたたかさと魅力を伝えたい!Yahoo!ニュースライター 500件以上取材実績あり。地域クリエイター月間MVA2024年11月、7月、2023年7月連続受賞。
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