【鎌倉】“鎌倉のチベット”に誕生した、新しいスタイルの鮮魚店「サカナヤマルカマ」

Release2025.12.12

Update2025.12.12

【鎌倉】“鎌倉のチベット”に誕生した、新しいスタイルの鮮魚店「サカナヤマルカマ」

Release2025.12.12

Update2025.12.12

紫陽花で有名な明月院から、さらに坂道を上っていくと高台に広がる今泉台の住宅街。最寄りの北鎌倉駅からは徒歩で30分弱。標高が高く山や丘に囲まれ、車道のルートも限られている今泉台は、その「僻地感」や「秘境感」から“鎌倉のチベット”と呼ばれているエリアです。

シャッター商店街に誕生した“まちの魚屋”

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1960年代の高度成長期に住宅地が造成され、今泉台にある北鎌倉商店街もかつては賑わいを見せていましたが、ライフスタイルの変化や住民の高齢化とともにシャッターが目立つように。そんな商店街に活気を呼び戻しているのが、2023年4月にオープンした鮮魚店「サカナヤマルカマ」です。

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鎌倉という土地柄、地元の魚を販売していると思いきや店頭に並んでいるのは小田原や鹿児島でとれた魚たち。というのも「サカナヤマルカマ」は、漁獲量の減少や後継者問題で悩む鹿児島県阿久根市の水産業者たちと、鎌倉の漁獲量の低下や漁師が減少していることや、高齢化による買い物難民などの課題を抱える鎌倉市の住民たちが、魚屋の経営を通じてお互いの境遇を改善していくことを目指してスタートした“新しいスタイルの魚屋”なのです。

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「出店するきっかけとなったのは2018年。阿久根と鎌倉の地域交流プロジェクトで阿久根の魚の移動販売を行ったのですが、今泉台で開催したところ連日行列ができるほど大盛況だったんです。その時、郊外住宅地における買い物難民の課題を知り、おいしい魚を食べたい人がこんなにたくさんいるんだな、と実感しました。

定期的なイベントの要望が高まり阿久根市との事業化も検討しましたが、コロナ禍で進行も滞り、『ならば自分たちで店を作ろう』と。資金調達はクラウドファンディングも利用しつつ、2023年に店を構えることができました」と話すのは、サカナヤマルカマ(一般社団法人 鎌倉さかなの協同販売所)理事の狩野真実さん。

鹿児島や小田原の珍しい地魚にも出会える

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朝11時のオープンと共に、朝獲れ鮮魚を求めてご近所さんたちが続々とお店にやってきます。撮影で訪れたこの日は、「以前買いに来ておいしかったからまた来ました」という、鎌倉の海側に住むご夫婦の姿もありました。

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店頭に並ぶのは鹿児島阿久根市の魚と、木曜と金曜は小田原の魚が入荷します。今後はほかの産地の魚も増やしていく予定とのこと。「産直の天然魚しか仕入れない」のもこだわりで味と品質は抜群。「どんこ」や「イラ」など、あまり聞きなれない品種の魚もちらほら顔を覗かせます。

「魚のおいしさを伝えたい」。昔ながらの対面接客で地域住民と交流

「キントキダイは鱗のまま焼くのがおすすめですよ」「少し待ってもらえたらマグロの刺身もできるよ」と、お客さんとスタッフの会話が生まれる昔ながらの魚屋のスタイルも健在。常連さんたちも、このやりとりを楽しみに訪れているような親しみが伝わってきます。

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「スーパーに並ぶ魚は多くても20種類ほどですが、うちで扱ってきた魚介類は250種類くらい。馴染みのない魚もあり、どんな魚か?どうやって食べたらいいか?というのを伝えないと売れません。なので、うちのスタッフは全員魚について日々学んでいますし、実際に自分たちで色々な食べ方を試したりもしています。お客さんと対面しながら、『今日はフライにしたい』と言われたら『これがオススメですよ、こんな食べ方もできますよ』というやりとりを通して、魚のおいしさやおいしい食べ方を紹介しています」(狩野さん)

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お店には、水産庁出身で元漁師の“ウエカツさん”こと上田勝彦さんがアドバイザーとして在籍。そんな“魚のプロ”の元、魚好きな10〜70代のスタッフたちが集まりお店を運営しています。

魚の販売はもちろんのこと、鱗や内蔵取り(50円)、刺身のサク(100円)などの魚の加工も注文可能で、近隣であれば鮮魚や刺身の配達サービスも行っています。

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「一匹丸ごと無駄にしない」のもマルカマのポリシーで、残った魚は味噌漬けや干物、すり身揚げなどの惣菜となっておいしく変身。外の角打ちスペースで、お酒と一緒にその場で楽しむこともできます。

「サカナヤマルカマ」は、おいしい魚だけでなく、住民たちに元気までもたらしてくれる街の充電スポットのような存在になりつつあります。

取材日 2025/11/6

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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毎朝届く鮮魚は店頭販売をはじめ、梶原山、由比ヶ浜、西鎌倉、城廻で移動販売もしています。出店情報はSNSで確認を。

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小田原で水揚げされた新鮮な真鯵は刺身にして販売。捌きたての鮮度抜群な魚を味わえます。

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商店街の角に立つ「サカナヤマルカマ」。カラフルな大漁旗を目印に訪れて。

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店頭には営業中いつでも利用できる角打ちスペースも。お店の刺身や惣菜をつまみにお昼から飲めます。

Writer坂井あやの

雑誌やweb媒体で食・酒・旅にまつわる記事を執筆。町場の酒場から星付きレストランまで、おいしい料理とお酒があると聞きつければフットワーク軽く全国へ足を延ばす。ナチュラルワインとサウナと野球が、日々の癒し&楽しみ。

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