もつ鍋の店「温」のその暖簾の奥には“もつ鍋以上”の、とびきりの名物が隠れています。店主が自ら釣り上げ、手間を惜しまず仕上げる魚料理、焼酎好きが高じて揃えた70種以上の焼酎、そして17年間貫く熱いカープ愛。
グルメも野球も、語り出したら止まらない店主の世界観が店いっぱいに広がっています。
もつ鍋の店「温」のその暖簾の奥には“もつ鍋以上”の、とびきりの名物が隠れています。店主が自ら釣り上げ、手間を惜しまず仕上げる魚料理、焼酎好きが高じて揃えた70種以上の焼酎、そして17年間貫く熱いカープ愛。
グルメも野球も、語り出したら止まらない店主の世界観が店いっぱいに広がっています。
この店の真骨頂は、実はもつ鍋ではなく刺身。
常連客の多くは、店主が釣り上げる“釣り魚”を目当てに足を運びます。
なかでも圧巻は、深海約500メートルから引き上げられるキンメダイ(キンメ)。
伊豆方面まで足を延ばし、2kg近い大物を釣り上げます。
魚は釣り上げた直後に「究極の血抜き」で処理され、さらに数日〜1週間熟成。
コリコリ食感ではなく、脂がしっとり回り、旨味がふくらむ“別物”の味わいへ。
透き通るような白身に淡い紅色が混じる、美しいキンメダイの刺身です。
「醤油じゃなくて、塩わさびが一番うまいですよ。」
そう勧められ、一切れをそっと箸でつまみます。
舌にのせた瞬間、驚きで思わず店主の顔を見てしまいました。
柔らかく上品な脂がふわりと広がり、塩がその甘味をすっと引き立て、わさびの香りが静かに余韻を整えていきます。
思わず、「キンメって、こんな味がするのですか?」と声に出してしまったほど。
深海魚には“淡白”というイメージを持っていましたが、その固定観念は一瞬で崩れました。熟成によって生まれた旨味の奥行きに感動します。
さらに、その横に添えられたのは、キンメの自家製塩辛です。フルーティーな味わいでお酒によく合います。
ほかにも、アジ、冬のタチウオなど、釣果に合わせて魅力的な皿が並びます。
焼酎好きが高じて店を始めたという店主。多い時期には70種もの焼酎が揃い、なかには入手困難な“激レア”のボトルも並びます。
「15年前は、焼酎をソーダで割るのは九州の人くらいでした。でも今は全国的にもブームで、焼酎のソーダ割りがめちゃくちゃ出ます」
勢いは “大ソーダ割り時代”。
以前の「焼酎=ロック・水割り」というイメージが、いま軽やかに塗り替えられているそう。
ソーダ割りをいただいてみると、焼酎の香りは残しつつ、口当たりは驚くほどすっきり。
「焼酎ってこんなに飲みやすかった?」と感じるほど、軽くて爽やかな味わいです。
店主いわく、ソーダ割りが選ばれる最大の理由は “飲みやすい” という点。
コロナ以降、食事のスタイルやお酒との付き合い方が変わり、軽めのお酒を求める女性や若い方が増えていることも、流行を押し上げているそうです。
使用される焼酎は アルコール度数25度前後 が中心で、炭酸との相性がよく、香りも立ちやすいといいます。
老舗のレアな焼酎からカルダモン焼酎などスパイス系などのソーダ割専用の焼酎、さらに自家製の梅酒もあり、焼酎好きにはたまらないラインナップです。
京急線県立大学駅から歩いて3分のところにある、もつ鍋の店「温」は開店して17年が経ちました。店主・堤貴稔さんの趣味は釣り。
営業が終わるやいなや、深夜の道をとばして伊豆へ直行。朝まで荒波と格闘してキンメダイやアジを釣り上げています。
「寝る間を惜しんでも、本当に旨い魚を食べてほしい」
そんな店主の情熱とこだわりが、この店の魚料理を特別なものにしています。
この店がもうひとつの顔を見せるのは、カープ愛に満ちた空間であること。
実は、「横須賀のカープの聖地」としてファンに知られる存在です。
「温」が“カープの聖地”と呼ばれるようになった原点、それは店主が抱き続けたミスター赤ヘル・山本浩司元監督への憧れでした。
その熱い想いは、やがて現役選手たちとの確かな信頼関係へと結実します。
特に秋山翔吾選手とは、彼が大学生だった頃からの長い付き合い。プロとして球界を代表する選手になった今でも、チームメイトや後輩を連れてこの店に帰ってくるといいます。
現在も後輩選手らを連れてお忍びで訪れるほか、自主トレの際には店主が食事面のサポートを行うなど、公私にわたる深い交流が続いています。 プロのアスリートが信頼を寄せる料理と、店主の温かい人柄で、選手たちを支えています。
店内には、秋山翔吾選手やカープ選手のサイン入りユニフォームやボール、トロフィーなどの激レアアイテムが並び、思わず胸が高鳴ります。
広島ローカル番組への出演歴も毎年あり、“ここは横須賀のカープ空間だ”と思わず頷いてしまいます。
地元はもちろん、県外からもカープファンが来店します。
カープファンが訪れると店内の空気は一段と熱気を帯びます。
「胸熱の空間で元気をもらえる」と店主が語るように、ここは料理と野球、そして店主の愛情が一体となった場所です。
「温」の看板メニューのほか、新鮮な釣果を日替わりで楽しめます。
鯵刺身(600円)やアジフライ(700円)、穴子天ぷら(800円)、焼き物、揚げ物などのメニューも豊富です。
「もつ鍋」の看板を掲げながら、その枠には収まりきらない魅力が詰まった「温」。 釣り人としての執念が実る「極上のキンメダイ」、時代の空気を捉えた「焼酎ソーダ割り」、そして誰もが熱くなる「カープ愛」。
これら全てをつなぐのは、店主・堤さんの真っ直ぐな情熱です。
美味しい料理でお腹を満たしたい時も、野球談議に花を咲かせたい時も、この店は訪れる人を温かく迎え入れてくれます。
ぜひ立ち寄りたい、心も体もエネルギーで満たされる名店です。
取材日 2025/11/13
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information

もつ鍋 温
住所 神奈川県横須賀市安浦町2-9
電話番号 046-807-5299
営業時間 月・水・木・日:17:00~23:00 、金・土・祝前日:17:00~0:00
定休日 火曜
アクセス 京急線県立大学駅徒歩3分
URL https://www.facebook.com/profile.php?id=100063760292161

Writerうみのとなり
ライター歴5年 「横須賀っていいな」「行きたいな、住みたいな」と思ってもらえる情報を発信しています。 地元の美しい自然・歴史・地域のあたたかさと魅力を伝えたい!Yahoo!ニュースライター 500件以上取材実績あり。地域クリエイター月間MVA2024年11月、7月、2023年7月連続受賞。

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