【三浦海岸】廃棄食材を看板商品へ。「伊豆島」で食べる三崎の新名物・茜身

Release2025.08.08

Update2025.08.08

【三浦海岸】廃棄食材を看板商品へ。「伊豆島」で食べる三崎の新名物・茜身

Release2025.08.08

Update2025.08.08

2024年より三崎の新たな名物に掲げられている「茜身」。三浦商工会議所、まぐろ未病改善効果研究会、そして三浦市が独自に「茜身」と名付けたマグロの血合肉は、DHA・EPA、鉄分、タウリン、セレノネインなどの栄養素分を豊富に含むため、「健康(未病改善)食」としても推奨されています。

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三浦海岸にある老舗「伊豆島 三浦海岸店」の店主兼料理長の伊豆島信行さんは、プロジェクトに賛同するだけでなく、茜身に「マグロの味わいにバリエーションを広げる可能性」を見出し、さまざまなメニューを考案しているそうです。

伊豆島らしく「茜身」を調理する

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暗い色をした「茜身の握り」(一貫220円・税込)を見たときに、少しぎょっとする人もいるかもしれません。こちらは、魚類特有の筋肉である「茜身」を新鮮なまま漬けにした握りです。

見た目のインパクトは裏腹に、まるでレバ刺しのようなぷりぷりとした食感と濃厚な漬けの味わいに思わずうっとり。血合肉の印象をがらりと変えてくれる一品です。

「うちのマグロは脂を多く含む地中海・マルタの畜養マグロなので、身だけでなく血合い部分にもしっかり脂がのっているようです。ほかのマグロではなかなか出せない食感で、『伊豆島』のお客さまにもご満足いただいています」

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もうひとつ「茜身の燻製」(440円・税込)も、伊豆島さんらしいひと手間を加えています。ふんわりと漂う薫香に、噛みしめたときのしっとり感がたまりません。マグロの種類によっては加熱すると身が硬くなってしまいますが、畜養マグロだと理想的なしっとりとした食感になるようです。

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「近年、ディルやフェンネルなどの香草が一般化して、手に入りやすくなりました。近所の農家さんが『使う?』と持ってきてくれたのがきっかけで、燻製する際にソミュール液に入れてみたんです。そしたら特別な燻製チップを使わなくても、香りよく仕上げることができました」

ゆくゆくは茜身を「伊豆島」の看板商品に

茜身を正式に取り扱うために、神奈川県水産試験場の方々の講習会に何度も参加したという伊豆島さん。これまで一般的には廃棄部分として認識されていた茜身(血合肉)ですが、伊豆島さんなりに思うところがあったようです。

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「料理人としては少しでも食材を無駄にしたくないので、以前よりお店では血合肉を角煮にして『まぐろ大根チーズあんかけ』というメニューで提供していました。『茜身』という名称に変わって、“美味しいもの”として自信をもって血合肉を提供できるのは嬉しいですね」

より高品質な茜身を提供するために、そして何よりもお客さまの血合肉に対する印象を変えるために、商工会議所は「茜身取扱店認証」を配布して賛同店舗をバックアップしているそうです。

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「お客さまが『美味しい』と言ってくださるので、僕としてはこのまま突き進めて、いずれは会席料理や仕出しの1品、2品に茜身を使っていきたい。それでゆくゆくは三崎の名物、『伊豆島』の看板商品の一つにしていけたらと思います」

血合肉への印象をがらりと変える「伊豆島 三浦海岸店」の茜身料理。ぜひ三浦海岸にお越しの際は、ご賞味ください。マグロの新たな味わいに出会えるでしょう。

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取材日 2025/6/5

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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三浦海岸を目の前にした店舗。入り口には「茜身」と書かれたポスターが貼られています。

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伊豆島さんの「新作」が摘果メロンと茜身の煮物。つゆがしっかり染み込んでいて、これまた美味しく人気が出そうな予感。

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脂の多いマグロにも合う旨みの強い日本酒をラインナップ。

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和食店には珍しく、ワインがずらり。伊豆島さんお気に入りの長野県・小布施のワインなのだとか。

Writer小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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