ワカフジベーカリーの「ポテチパン」(175円)の特徴はなんといっても大きめのポテチ。「大きく砕き、形が残るようにしています」と社長の弓削力(ゆげ つよし)さん。コイケヤ「ポテトチップス うすしお味」を使用しています。
たっぷりのキャベツと自家製マヨネーズをトッピング。弓削さんは「キャベツは三浦半島のものです。ポテチパンをはじめとして、できるだけ地元の食材を使うようにしています」と話します。
ボリュームたっぷりのひと品ですが、お値段が安すぎるのでは……?
「うちのパンはほとんど200円前後にしています。地元の中・高校生が気軽に買える値段を維持するようにしています。500円で2個買えるくらいがちょうどいい。え、儲け? 店頭販売で儲けはほとんどありません」と笑います。
ポテチパンは弓削さんの祖父である先々代が考案しました。きっかけは、50年ほど前に遡ります。横須賀のお菓子工場から市内のパン屋さんたちへ相談が持ち込まれました。「大量に出るポテトチップスのカケラを利用して新商品を作れないか」というのです。
「当時は多くのパン屋がポテチパンに挑戦しました。ポテチパンにルールはありませんから、いろんな種類が生まれましたね。うちは、最初はドッグパンにポテチだけ入れていたようなんですが、昭和60年くらいにいろいろ工夫して、自家製マヨネーズとキャベツを挟み込む形におさまったと聞いています」。
当時、相談が持ち込まれたパン屋さんの中で現在もポテチパンの歴史を守っているお店は、ワカフジベーカリーを含めて3店舗だと弓削さんは語ります。
ポテチパンは横須賀のソウルフードとして親しまれているお惣菜パン。テレビで紹介されることも増え、番組が放送されると他県からもお客さんが殺到します。
「ワカフジべーカリーは4人も入ればいっぱいになるくらいの小さなお店なんですが、お店の外に行列ができることがあります。多いときは1日1,000個も売れたこともありましたよ。
閉店時間になったときには、さすがに店員の皆さんも私も疲れ切ってしまいました」と弓削さん。まさに嬉しい悲鳴です。
取材日:2025/01/16
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
ワカフジベーカリー
住所 〒239-0805 横須賀市舟倉1-15-8
電話番号 046-835-0548
営業時間 9:00~16:30(日曜日のみ~16:00)
定休日 毎週土曜・第2第4日曜
アクセス JR「久里浜」から徒歩10分
URL https://www.instagram.com/wakafujibakery/
Writerしゅんどう
三浦半島在住。「カピバラ写真展」をよこすかポートマーケット、ソレイユの丘などで開催し、自身はカピバラ紙粘土の造形、カピバラ絵本制作を行っている。
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