【横須賀】アイスの前ではみんな笑顔に。今さんプロデュースの「ミリオンダラーアイスクリームパーラー」

Release2025.02.24

Update2025.04.08

【横須賀】アイスの前ではみんな笑顔に。今さん プロデュースの「ミリオンダラーアイスクリームパーラー」

Release2025.02.24

Update2025.04.08

人々が集まり、さまざまな言語が飛び交う店内

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横須賀にあるアイスクリーム店「Million-dollar Ice cream Parlor」の店内は、さまざまな言語が行き交います。

昨今、街で外国の観光客をよく見かけますが、ここに訪れるのは米海軍横須賀基地の関係者を含む、“地元民”がほとんどです。

誰もが美味いと唸る、スイーツなアイス「シナモンアップルパイ」

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ここのアイスは「アメリカの子どもが好む味」を着想源に、すべて地下工場で手作りされています。中でも一番人気は「シナモンアップルパイ」(レギュラーサイズ・シングルカップ 480円・税込)です。

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クリームチーズを使用したシナモンアイスクリームに、林檎のコンポートソースが相まって、口の中に濃厚な満足感が広がります。パイ生地の代わりに入れた、バターたっぷりのクランブルのザクザク食感もベストマッチ。

ドブ板通りの雰囲気を体現するアイスクリーム店

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戦後、米軍相手に商売を始めたドブ板通りは、良く言えば “アメリカと日本の文化が融合”した地域。その一方で、たびたび起こった危ない事件の報道や噂も増え、昔は子どもや女性が近付きにくい危険な場所とされていたそうです。

今は安全になったドブ板通りですが、それと並行してドブ板特有のいい意味での危険性や、アイデンティティを失いつつあるのも事実。その状況を見て、オーナーの今さんは使命感を抱いたのだとか。

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「今のドブ板通りは、昔アングラな空間ながらも築かれた地域住民とアメリカ人の絆や、コミュニティーのような雰囲気が薄れてしまったように感じます。だから僕は、この店でそれらを次の世代に体感してもらいたいと考えています」

お店のコンセプトのヒントとなったのは、米軍とアイスの関係です。戦時中、アイスがお酒の代わりの嗜好品となり、米軍は第二次世界大戦中にコンクリート製バージ(艀)を海上のアイスクリーム工場兼パーラーとして改造しました。そこでは階級に関係なく皆一様に、アイスを求めて列に並んだそうです。

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アイスの前では人は平等になる。

そんな想いを胸に、今さんはお店の飲食スペースを広く確保し、大きなカウンターを設けて、お客さん同士の会話が生まれる場をつくりました。そして今お店では、日本人の老夫妻がアメリカ人の子どもに話しかけ、笑顔で一緒にアイスを食べる穏やかな光景が見られます。

「地域の歴史、戦争や政治を踏まえると、色んな想い、背景を抱える人がいます。でもそんなものを吹っ飛ばして、アイスの前ではみんなが笑顔になってほしい」

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“君と同じようにアイスを好きな人を、嫌いにはなれないだろう”

鏡に書かれたメッセージは「人と人」、そして「昔と今」に訴え、共に歩みだす未来をつくっていくのでしょう。

取材日 2025/1/17

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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「Million Dollar Ice Cream Parlor」から少し歩いた先にあるドブ板通り。

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店舗の一角には米軍関連の記念メダルやバッジも並びます(非売品)。

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ドブ板通りならではのバッジがこちら。モチーフの「HONCH RAT」は、ドブ板通り(本町)のバー、飲食店を渡り歩く人々の愛称なのだとか。

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地下のアイス工場ではスタッフが毎朝、オリジナル・アイスを手づくりしています。ビビさんはイタリア出身の方。

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ボウルいっぱいのアイスを力強くこねながら、「イタリアの大家族のパスタを茹でるのと同じ動きだから慣れたものよ」と話すスタッフのビビさん。

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フレーバーは全20種類+期間限定。アメリカンな味わいのほかにも、「黒蜜きなこ」や「抹茶」など、外国の方が求める日本のフレーバーもあります。

Writer小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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