葉山「日の出園」の「あんみつ」(750円)は、見た目の美しさと素材の質の高さが自慢です。
注目すべきは、あんみつにかかせない寒天。透明感のある寒天は、葉山産の天草から手作りされており、程よい弾力を感じられます。添えられる季節の果物や自家製の白蜜との相性も抜群です。
「黒蜜も好きなんですけど、白蜜の方が素材の味が出るんです。黒蜜だとなんでも黒蜜の味になっちゃいますからね」と店主の和田政英さんは語ります。
このあんみつに使われる天草は、葉山の特定の海域でのみ採れる天草。日の出園と繋がりのある地元の方が収穫しています。
「葉山の天草は、地元の漁師さんが丁寧に収穫してくれて、その天草をうちの母が一生懸命鍋でコトコトと煮詰めて作っています」。
天草を洗い、煮詰め、冷やして固め、天日で乾燥させるまで、すべて手作業。和田さんは「葉山の天草を食べられるのは多分うちだけじゃないかな」と、にっこり。お店自慢の和スイーツです。
日の出園の喫茶室では、「お茶を飲んで、お茶に親しんでほしい」という考えから、お冷やではなく必ずお茶を出しています。もちろん、飲み放題です。
「お冷やで育っちゃうとお茶を飲まなくなるでしょ? これは、大人に対する食育。子どもたちも含めて、本来のお茶の味はこうなんだよというのを知ってもらいたいんです」と、熱く語ります。
お茶を愛する和田さんは、日本茶インストラクターの資格も取得。お店で出すほうじ茶は、自らの手で店先で焙煎し続けています。
「ほうじ茶愛には溢れていますね! 市販のペットボトルで慣れちゃうと本当のほうじ茶の味がわからなくなる。それはかわいそうだな、残念だなと思うんです」。
50年近く葉山の地でお茶を提供し続ける日の出園。自慢のお茶やあんみつは、地域の物語と愛情が詰まった一品なのです。
取材日 2025/02/27
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
日の出園
住所 神奈川県三浦郡葉山町長柄1413-212
電話番号 046-875-5134
営業時間 11:00~17:00、甘味処11:00~18:00(L.O.17:00)
定休日 水曜日
アクセス 京急バス「才戸坂上」から徒歩4分
URL https://www.hayama-hinodeen.com/
Writerミノシマタカコ
フリーライター/Web編集。旅行や食、ホテル、ライトテック、ビジネスなど多岐にわたる分野を執筆。インタビュー多め。狛犬愛好家としても活動中。日本参道狛犬研究会会員。
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