【三浦海岸】サンノゼから三浦へ、自然の一杯を届ける「中華そば あら井」

Release2025.12.22

Update2025.12.22

【三浦海岸】サンノゼから三浦へ、自然の一杯を届ける「中華そば あら井」

Release2025.12.22

Update2025.12.22

三浦海岸駅から高架線に沿って歩いていくと「中華そば」と書かれたのぼりを発見。雰囲気のある飲食店街の1階に、白い暖簾がかかった「中華そば あら井」があります。

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ここは、かつてカリフォルニア州サンノゼで人気を博した「Ramen HALU」を営んでいた荒井久麻男さんが、2022年にオープンした自然派ラーメンの専門店です。自然由来の素材を活かしたやさしい味づくりの信条は、アメリカでも日本でも変わらず、人々に温かな一杯を提供しています。

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原点は「自然の旨味」にあり

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看板商品「中華そば 醤油」(850円・税込)のベースは、鶏ベースの清湯です。鶏ガラ、鰹節、鯖節、昆布、煮干し、干し椎茸、そして旨み成分であるコハク酸とグルタミン酸を足すホンビノス貝で味を重ねます。しかし近年、スープに変革があったようです。

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「オープン当初は鴨のガラを入れていましたが、最近は代わりに“老鶏”、要は親鳥を一羽丸ごと入れています。具材につけるチャーシューも一緒に煮込むので、鶏肉と豚肉どちらの脂、旨みが溶け出し、スープにコクと香りが加わります」

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澄んだスープを口に運ぶと、確かにやわらかな味わいながらも、ラーメンらしい塩気よりも旨みが口に広がります。自然の食材が積み重ねられた出汁が描く穏やかな輪郭に、奥深さを感じられます。

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麺は、三浦で1966年創業の「丸清製麺」がつくる中細のストレート麺です。小麦の自然な色合いを生かした、もっちりとした食感がスープとよく合います。

具材もすべて店内で仕込みます。メンマは一晩塩抜きしてから、翌日に胡麻油と自家製醤油だれなどで完成。時間をかけた低温真空調理のしっとり鶏胸肉と、バーナーで焙って仕上げた豚バラチャーシューを一枚ずつ、白髪ネギ、三つ葉、そして海苔が添えられます。

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「店のコンセプトから外れないよう、より自然的でまとまるように、という考えもあります。「安心して美味しく食べていただきたいので」と荒井さんは微笑みます。

ラーメンの原風景は“父との思い出”

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「自然な美味しさ」をコンセプトに掲げたきっかけは、渡米前に手伝っていた知人のラーメン店。自然由来の食材と自家製麺を掲げていた友人自慢の一杯に影響を受けたと荒井さんは話します。しかし、ラーメンの原風景はもっと幼い頃、家族の思い出にあるそうです。

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「実家が食肉関係の会社を経営していて、週末になると必ず人が集まってBBQとか、ガラからスープを取ったラーメンとか作っていたんですね。それで小学校の頃から豚骨を金槌で割るなど手伝いをしていたものですから、ラーメンはスープから作るものって認識だったんです」

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そのため、友人宅に遊びに行ったときに初めてインスタントラーメンの存在を知ったときは「衝撃だった」そうです。なんて贅沢……しかし、その原風景があるからこそ、「中華そば」に温かみとやさしさを感じるのかもしれません。三浦海岸の潮風に寒さを感じたら、ぜひ荒井さん自慢の一杯でお腹も心も温めてください。

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取材日 2025/10/21

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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店内はカウンターと、奥に座敷(2人・4人用)があります。

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アメリカの店舗の常連さんや元スタッフとは親交が続き、日本に訪れた際には必ず立ち寄ってくれるそうです。

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アメリカ出店時の話を伺うと「日本とアメリカで食に関する法律が違うので、原材料を見るのが習慣になり、業務用製品などは避けるようになりましたね」と荒井さん。

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自家製の鶏胸肉スライスも、低温真空調理でしっとりジューシーに。具材ひとつひとつに手間をかけることで、荒井さんのラーメンに一本の芯が通るのです。

Writer小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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