「え、これ本当にスイカ?」そんな声が思わず出てしまう、ちょっと変わったスイカやメロンがあります。鎌倉時代から続く農家「加藤農園」 加藤正人さんは年間100品種もの栽培に挑戦。見た目も味も驚きいっぱいのフルーツたちをご紹介します。
「え、これ本当にスイカ?」そんな声が思わず出てしまう、ちょっと変わったスイカやメロンがあります。鎌倉時代から続く農家「加藤農園」 加藤正人さんは年間100品種もの栽培に挑戦。見た目も味も驚きいっぱいのフルーツたちをご紹介します。
「本当にスイカですか?」と思わず声が出る、模様のない黒皮のスイカは「ボンボンリッチ」という品種です。
小玉ながらも、シャリシャリとした食感と濃厚な甘さが特徴です。
三浦市初声町にある加藤農園では、このボンボンリッチをはじめ、スウィートキッズ、ぷちっと、祭囃子 (まつりばやし)、金色羅王 (こんじきラオウ)など、珍しい品種のスイカを育てています。
「最盛期には1日に300〜400玉を収穫します。今年は冬から春にかけて寒暖差が大きかったため、例年よりやや小ぶりになりそうです」と話すのは、農園主の加藤正人さん。
「ぜひ食べてみてください。糖度は16度くらいありますが、甘すぎず、さっぱりとした酸味があって美味しいんです」
続いて紹介してくれたのは、黄色い果皮が特徴的なメロン「サワースウィート」です。
確かに、甘いだけでなく甘酸っぱさが新感覚の初めて食べる味わいです。
この希少なメロンを栽培しているのは、三浦市内でも加藤農園を含めわずか2軒だけ。まだ認知度が低く、売れ行きに苦戦しているそう。
「他にも黄美香 (きみか)メロンやグレースメロンも栽培しています。誰も作っていない作物に挑戦するのが楽しいです。いつかはこのメロンを三浦半島の名産品に育てたい」と、加藤さんの目は輝きます。
三浦市初声高円坊で「加藤農園」を営むのは、加藤正人さんです。
高校卒業後は自動車整備士を目指しましたが、家業の農業に惹かれ、徐々にその道へと足を踏み入れました。
「最初はアルバイトの合間に手伝う程度だったんですが、本格的に農業を始めて、もう10年になります」と微笑みます。農業の知識や技術は、お父様とお母様から学び、日々勉強を欠かしません。
加藤家のルーツは、鎌倉時代の和田義盛の乱(1213年)にまで遡ります。和田氏の一族である和田朝盛がこの地に土着し、「高円坊」と呼ばれるようになりました。彼の家臣たちの子孫は川名、加藤、鈴木、青木といった姓を名乗り、それぞれの家系を築いていきました。
加藤農園では代々受け継がれてきた農業の知恵と、常に新しい挑戦を続ける姿勢が、スイカやメロンづくりの礎となっています。
夏はスイカやメロン、冬は大根やキャベツを中心に、加藤農園の特徴は「少量多品種」のスタイル。年間約100品種の野菜や果物を栽培しています。
「育ちが悪かったり、味に納得できなかったり、売れ行きがいまいちだったものは、次の年には作らないこともあります」
常に新しい品種にチャレンジすることを楽しんでいると話します。
三浦の気候は、夏は厳しい暑さ、冬は冷たい風。そして虫やアライグマといった“農業の敵”とも日々闘っています。
三浦市内に点在する畑は合わせて1.3町(東京ドームのグラウンド面積くらい)もあります。家族3人で経営をするため、作業量や管理面から大規模化は難しいとしつつも、「だからこそ、味や品質にはこだわりたい」と話します。
「お客さんから『美味しかった!』と言われることや、他の農家が作っていない野菜を育てることに、やりがいを感じますね」
加藤農園の野菜は、野菜の里 須軽谷やヨークマート久里浜店で購入することができます。店頭で見かけたら、加藤正人さんの“挑戦の味”を味わってみてください。
取材日 2025/7/13
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Writerうみのとなり
ライター歴5年 「横須賀っていいな」「行きたいな、住みたいな」と思ってもらえる情報を発信しています。 地元の美しい自然・歴史・地域のあたたかさと魅力を伝えたい!Yahoo!ニュースライター 500件以上取材実績あり。地域クリエイター月間MVA2024年11月、7月、2023年7月連続受賞。
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