普段アジア料理を食べる機会が少ない私、井上ゆみ乃。アジア料理に馴染みがなくても、ここのはなんだか優しい味わいで、すっと体に入ってくる。アジア料理という世界の入り口へ温かく導いてくれたお店「たべごとやみなと」に行ってきました!
普段アジア料理を食べる機会が少ない私、井上ゆみ乃。アジア料理に馴染みがなくても、ここのはなんだか優しい味わいで、すっと体に入ってくる。アジア料理という世界の入り口へ温かく導いてくれたお店「たべごとやみなと」に行ってきました!
三崎口駅よりバスに乗り「仲崎」バス停より徒歩2分。三崎のすずらん通りを少し路地に入った場所にあります。柴崎朱里さんと岩崎楓さん姉妹で営む「たべごとやみなと」。季節の食材や料理を彩る器、食べる人に作る人、食にまつわること全てまるごとで【たべごと】という日本の古い言葉を屋号に入れ、2022年にオープンしました。
もともと横浜の方で2人でお店を始めようと考えていたそう。そんな姉妹が三浦に移住し、店を営むようになったきっかけは、母が三浦に移り住むと決めたことでした。コロナをきっかけに家を買うことになり、東京での生活に息苦しさを感じていたため、朱里さん楓さんも一緒に三浦に移住することになりました。
そして三浦の朝ごはん屋さんで間借り営業できることを知り、念願の「たべごとやみなと」がオープンします。約10ヶ月の間借り営業を通し、経験を積み、地元の人々と交流を深めてきました。その間に親交のある不動産屋さんからおすすめの物件を紹介され、「ここでやっちゃいな」と猛プッシュを受けます。実際に物件を見に行くと内装のデザインに惹かれ、今の場所で自店舗での営業が始まりました。
木を基調とした昔ながらの平屋。レトロで、温かみがある店内。カウンターの前に並ぶたくさんのアジアンテイストの食器やインテリア。初めて来たとは思えない懐かしさとアジアの雰囲気が共存しています。
ずっと前からここにあったんじゃないかと思わせる「たべごとやみなと」ですが、このお店の改装作業にはとても苦労したそうです。
「めっちゃ大変でした。屋根とかが抜けちゃってて、屋根もつけてもらったり、床もない状態だったので。こっちはL字のカウンターがあって、もっと狭いキッチン。拡張して、こっちの部屋を土間にした感じ」
昔ながらのデザインは残しつつ、営業しやすいよう多くの箇所の改装作業を行ってきました。
「収納も全然ないから、近所の古道具屋さんにいろいろ棚とか、椅子の下の収納とかを作ってもらいました」
三浦の人々に支えられながらできたお店なんだと、忙しかった当時のことを振り返りながら柔らかい表情で話されていました。
朱里さんも楓さんもアジア料理好きで始めた「たべごとやみなと」。妹の楓さんは20代の頃、2017年に初めてベトナムに行った時からベトナムにハマり、それ以降毎年ベトナムに足を運ぶように。いつかお店をやるだろうと食器や調味料を買いまくっていたそうです。
店内にはベトナム好きの楓さんが集めた豊富な調味料コレクションが並びます。知らなかった調味料と出会えるのって嬉しい!つい質問攻めにしてしまいましたが、どんな調味料なのかや、料理との合わせ方などを優しく教えてくれました。
また、姉妹で料理の特徴も異なるんだそう。姉の朱里さんはスパイスと日本の調味料を合わせ、家庭の味を思わせつつ、アジア料理ならではの風味を感じられるバランスの良い料理をコンセプトとし、アジア料理が苦手な人でも美味しく食べられるような味わいに。妹の楓さんはアジア感が少し強く、アジア料理を食べたいと来店される方が喜ぶ味わいなんだそう。
店の入り口にあるショーケースには、三浦の新鮮なお野菜を使い作ったお惣菜が並んでいます。
今回注文した料理は全部で4品。1品目は冬瓜・オクラ・トマトの冷製おでん自家製梅酢仕立て。今でも忘れられない大感動の一品です。冷たいおでんの出汁が染み込んだ冬瓜、オクラ、トマト。そこに梅酢のフワッと鼻を抜ける爽やかな香り。お邪魔した日は特に暑く、体に熱が篭り続けていましたが、これを食べた途端体から熱が抜けるような感覚に。夏にぴったりの逸品でした。
2品目はゴーヤと豚しゃぶのタオチオサラダ。タイの味噌、タオチオは日本の味噌よりも濃厚で深い味わい。どうしても飲みたくて予定外に注文したビアラオ(ラオスのビール)と相性抜群。料理もお酒も進みます。
3品目は豚の黒角煮。中国の黒醤油は甘やかで照り感ある仕上がり。美しい豚肉の艶が食欲をそそります。八角などのスパイスもしっかり効きコクもありますが、たくさん食べても飽きない調和の取れた味わいでした。
ここでおすすめしていただいた梅スパイスソーダを注文。自家製の梅シロップにシナモンなど様々なスパイスを一緒に漬け込んだ「たべごとやみなと」でしか飲むことのできないオリジナルドリンク。スパイスがフワッと香りクセになるんです!
4品目は冷やしトムヤムまぜそば。三浦の唯一の製麺店「丸清製麺」の麺を使っています。トムヤムクンと三浦産のレモングラス、辛味と酸味のバランスが最高!辛味のある料理は普段食べない私ですが、あまりの美味しさに手が止まりませんでした。
どの料理もアジアの調味料や食材を生かしつつ、親しみのある懐かしい風味が加えられています。新しいのにほっとする料理で、お腹は満たされているのになぜか体は軽いのです。
終始笑顔で取材に受け答えしてくださった朱里さんと楓さん。お店での基本的な役割も姉妹で異なります。姉の朱里さんはホール担当としてフレンドリーにお客さんとの会話を楽しみ、妹の楓さんは料理担当として厨房で黙々と1人で料理を作りお客様に提供しています。
雰囲気も違うお二人ですが、異なる歯車が噛み合い自然と回転するような、2人にしか出せない独特のリズムがあるような。「たべごとやみなと」でしか食べられない料理のように絶妙なバランスでお店が作られているように感じました。
「路地裏でやっているっていうのもあって地元の人の認知度がまだまだ低いなって感じるところがあるんです。もっと地元のおじいちゃん、おばあちゃんも含め住んでる人たちが、お祝いに来るとか、テイクアウトできる、なんか気軽に利用してもらえる店になれたらいいな。地元に愛されるお店に」
また地元の人、移住してきた人が隔たりなく、三崎という共通点がある人がみんな交わるような場所にと地域の架け橋となる場所を目指しています。
「地元のおじいちゃんが飲みに来てて、若い移住者が話したりして、盛り上がっている風景とかは、すごく嬉しいなって思う。そういう瞬間をもっと増やしていきたい」
「たべごとやみなと」にお邪魔してからというもの、なんだかアジア料理が気になる私。パクチーを美味しいと感じたのも初めてでした。新たな料理との出会い、スパイスとハーブが香るアジア料理という世界に私を連れて行ってくれたのです。
レトロな街並みの少し路地に入った場所で、アジア料理という世界の入り口へ導いてくれる三崎愛に溢れた姉妹と「たべごとやみなと」が美味しい料理を用意してみなさんを待っています。お店を出る時にはきっとあなたもアジア料理と「たべごとやみなと」の虜になるはず。
ぜひアジア料理の世界へ!一緒に飛び込んでみませんか?
取材日 2025/07/25
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
たべごとや みなと
住所 神奈川県三浦市三崎2-16-3
電話番号 046-876-6370
営業時間 11:30〜14:00(水・木・金・土) 18:00〜22:00(木・金・土) 17:00〜21:00(日)
定休日 月・火曜
アクセス 京浜急行バス「仲崎」徒歩2分
URL https://www.instagram.com/tabegotoya_minato/
Writer井上ゆみ乃
地元良品JOURNEY 三浦半島篇リポーター。特技はテニスとカラオケ、そして趣味は食べることとお酒を飲むこと!現在は横浜郊外でワンルーム一人暮らし。三浦半島の素敵な物件と楽しい飲み屋さんを探索中!ホリプロ所属、東京ベイネットワーク「週刊ベイネット」MC、はまふぅどコンシェルジュ🌱MISS CIRCLE CONTEST2023ファイナリスト。
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