三浦海岸から吹き込む海風ではためく、タイの国旗。そしてパラソルで南国のような雰囲気を醸しだしている「トムヤムクン」は三浦市で唯一と言われているタイ料理店です。
三崎マグロや三浦野菜だけではない、ここでしか食べられない味わいのひとつに、ミントラさんのタイ料理が挙げられます。その風味豊かで、口の中に広がる旨みとハーブの香りに感動すら覚えました。
三浦海岸から吹き込む海風ではためく、タイの国旗。そしてパラソルで南国のような雰囲気を醸しだしている「トムヤムクン」は三浦市で唯一と言われているタイ料理店です。
三崎マグロや三浦野菜だけではない、ここでしか食べられない味わいのひとつに、ミントラさんのタイ料理が挙げられます。その風味豊かで、口の中に広がる旨みとハーブの香りに感動すら覚えました。
「ガパオ」とはタイ語でホーリーバジルを指し、鶏ひき肉やたまねぎ、パプリカと炒める「ガパオライス」はタイでも日本でも人気のタイ料理です。
ニンニクやナンプラーなどの調味料で甘辛く味付けされ、ホーリーバジルの爽やかさも相まって、とても複雑で奥深い味わいとなっています。十分な辛さを感じつつも、スプーンが進んでしまうのは素材の旨みが凝縮されているから。
セットでついてくるトムヤムクンスープも有頭海老を出汁に使っているため、一口目で感じるのは海老のコク深さ。酸味と辛みが絶妙に融合したスープは大変人気らしく、常連さんの中にはもち米を一緒に頼んでおじやのように食べる方もいるようです。
しかしタイ料理には欠かせないパクチーがあまり見当たりません。ふとミントラさんに聞いてみると「生のパクチーを大量に食べるのは日本人だけ」だそうです。
「タイではパクチーの葉よりも根っこ部分を出汁や味付けに使います。ビタミンCも多いし、排出を助ける力もあるから、たくさん食べるのはいいことですよ」(ミントラさん)
トムヤムクンを営む坂井一家は今から15年ほど前、釣りが趣味だったという靖さんの意向で横浜から三崎港に引っ越してきたそうです。横浜でママ友にタイ料理教室を開いていたミントラさんは、子どもたちが小学校に上がったのを機に三崎港でお店を開き、一人で切り盛りしていたそうです。
「今のお店の半分くらいの広さで、最初はママ友関係の人々が来てくれました。軌道に乗り出すと、土日は東京から油壷のヨットハーバーに来る人たちで貸し切りになることが多かったですね。でも最初はこんなに長くやるつもりはなかった(笑)」(ミントラさん)
一人では手が回らなくなると、靖さんも土日のお皿洗いに駆り出されて「釣りもできなくなった」と冗談交じりに教えてくれました。
「僕も今は定年で会社を退職して、妻を手伝っています。三浦市に一軒しかないタイ料理店ということもあって、遠方からわざわざいらっしゃる方、通りすがりの方、色んな方に料理を楽しんでいただけていると感じています。お一人おひとりに、感謝の気持ちでいっぱいです」(靖さん)
我こそはタイ料理好きという方はぜひ、三浦海岸の「トムヤムクン」を訪ねてみてください。香り高いハーブ、濃い旨み、そして坂井さんご夫婦のお人柄にきっと魅了されるはずです。
取材日 2025/5/16
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
タイ料理 トムヤムクン
住所 神奈川県三浦市南下浦町上宮田3316-4 エスポワール三浦海岸
電話番号 046-804-0123
営業時間などの情報 11:30~15:00 / 17:30~21:00
※ゴールデンウィークから8月末まで 11:30〜21:00(土・日)
定休日 月・火曜
アクセス 京浜急行「三浦海岸」徒歩6分
URL https://www.instagram.com/miurakaigan_tomyamkung/
Writer小林有希
東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。
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