【横須賀】30年、森とともに。若江栄戽・漢字夫妻が育てた「カスヤの森現代美術館」

Release2026.02.20

Update2026.02.20

【横須賀】30年、森とともに。若江栄戽・漢字夫妻が育てた「カスヤの森現代美術館」

Release2026.02.20

Update2026.02.20

横須賀の森に佇む「カスヤの森現代美術館」。

館長・若江栄戽さんが、夫・若江漢字氏とともにドイツでの経験を礎に構想し、20年の歳月をかけて1994年に開館しました。

開館から30年。ヨーゼフ・ボイスの常設展示や現代アーティストの企画展、自然と呼応する庭園を通して、ここは今もなお、地域文化を静かに発信し続けています。

横須賀における芸術の中心地

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「カスヤの森現代美術館」はJR衣笠駅から15分ほど歩きます。

しんとした森を背に、美術館はスッと建っています。不思議と背筋が伸びる佇まいがあります。

1994年に開館した「カスヤの森現代美術館」は、横須賀市の文化発信の先駆けともいえる存在です。土地は館長の若江栄戽(はるこ)さんのご実家でもあります。

「江戸時代から受け継いだ土地と自然を活かしています。たくさんの鳥が訪れることから、以前、近くに住む鳥類学の先生が野鳥の定点観察の場としていて、私の旧姓が粕谷というものですから「カスヤの森」と呼んでいました。美術館の名前はそこからいただきました」

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現代芸術とヨーゼフ・ボイス

【1】第一展示室

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チケットを購入し、右手の部屋が第一展示室です。「カスヤの森現代美術館」は、現代美術という今を生きるアーティストを中心にした企画展を行っています。年間4、5回、2〜3ヶ月ごとに入れ替わります。

第一展示室の階段を中二階へのぼると常設展示があり、若江夫妻が交流した現代美術の巨匠ヨーゼフ・ボイス(ドイツ)のコレクションが待っています。

ボイスは社会全体を芸術作品として捉え、「社会彫刻」という言葉を生み出しました。人間の持つ創造力こそが資本であると捉え「芸術=資本」という考えを今に遺しています。常設展ではボイスの思想やマルティプル作品に触れることができます。

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【2】廊下 〜若江漢字氏の展示・図書室

第二展示室では宮脇愛子、若江漢字などの現代作家の作品が展示されています。図書室もあり、画集などが閲覧できます。

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若江漢字「近時代=不在のフィールド」1992年

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若江漢字《探査と遁走》2019-2020年

【3】カフェスペース

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お庭を見ながらのティータイムも人気です。ラウンジは吹き抜けになっており、気持ちの良い陽光に包まれます。カフェセット「ケーキ+お飲み物」(1,000円)は、フォンダンショコラとフォンダンフロマージュの2種類のどちらかを。また飲み物は、珈琲もしくは紅茶が選べます。

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ドイツ滞在から生まれた美術館設立の構想

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アーティストとして活動していた若江栄戽さんが地元である横須賀市に美術館を作ろうと決意したのは、1974年に遡ります。

栄戽さんは70〜80年代、ドイツのヴッパータール市などの地方都市にたびたび訪れていました。

「横須賀市と変わらない人口の都市に美術館や博物館が必ずあり、その土地の文化を支えていました。一方、70年代当時の横須賀は、美術館やコンサートホールは無く、社会資本はとても貧弱でした。

夫となる若江漢字とは、お互いに横須賀出身であることが重なり、共に横須賀に美術館を建てることを決意したんです」

それから20年を経た1994年に美術館は完成しオープン。

「美術館の内容をいろいろと考え、展示するコレクションを集めるとなると、それくらいの時間がかかりました。うれしかったのは横須賀市内の反応です。多くの皆さんがスポンサーになってくれたので、こうして今でも開館しているのです」

カスヤの森現代美術館では展示のほか、セミナーやコンサートなどを企画しています。美術館は昨年、開館30年を越え、ますます地域文化の中心として存在感を増しています。

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館長の若江栄戽さん(中央)と、スタッフの岡田顕さん(左)、関根澄人さん(右)。

取材日 2025/12/4

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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竹林が印象的なお庭。

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見上げる者に、問いかけるメッセージ。

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テラスもステキです。静けさに包まれます。

Writerしゅんどう

三浦半島在住。「カピバラ写真展」をよこすかポートマーケット、ソレイユの丘などで開催し、自身はカピバラ紙粘土の造形、カピバラ絵本制作を行っている。

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