三崎漁港にある市場、うらりマルシェ。その入り口に不定期に現れるキッチンカーがあります。「だるま食堂」はかつて三崎にあった家族経営の人気食堂でした。
その店が25年ぶりにキッチンカーとして復活。当時と変わらない"きいろい”昭和レトロなカレーに、早くも地元民は大喜びです。
三崎漁港にある市場、うらりマルシェ。その入り口に不定期に現れるキッチンカーがあります。「だるま食堂」はかつて三崎にあった家族経営の人気食堂でした。
その店が25年ぶりにキッチンカーとして復活。当時と変わらない"きいろい”昭和レトロなカレーに、早くも地元民は大喜びです。
日曜日の昼過ぎ、三崎漁港のうらりマルシェ前にキッチンカーが登場しました。うらりマルシェで働く人や近隣に住むご夫婦、お母さんたちなど、みんなが笑顔でカツカレーを買って行きます。
キッチンカー「だるま食堂」のメインメニューは、こだわりのヒレカツが乗った「きいろい」カレーです。
「ひれかつカレー」(1,200円)の、どろっとしたカレールーは昭和食堂を彷彿させる黄色。
そこに豚肉と玉ねぎがたっぷり入っています。それをご飯にかけて口に運ぶと見た目よりピリリと辛い大人の味。初めて食べるのに何か懐かしい、そんなカレーです。
さらにサクサクのヒレカツと絡めて食べるとボリュームも満点。 漁港の強い陽射しと海の香り、そしてきいろいカレーが三崎ならではの郷愁を感じさせてくれました。
キッチンカーでカレーを提供してくれる店主の高橋祐太さんは、生まれも育ちも三崎です。
高校生の頃から地元の鮮魚店「魚音」で約20年間、ずっと働いてきました。そこで浮かんできた「自分のお店をやりたい」という気持ち。古くからの友人や知り合いから家業の味について懐かしむ声が多く、復活のきっかけとなりました。
「子どもの頃、実家の『だるま食堂』では、よくお手伝いをしていました。ただ僕が中学生の頃に閉店したんです。継ぐ気もなかったので、あまり気にしていなかったんですが、大人になったら町のいろんな人から『お前のところのカレーうまかったな』とか『鍋を持ってルーを買いに行った』って、いろんな人から言われたんですよ」
そこで頭に浮かんだのが、町のみんなに愛されていたきいろいカレーでした。
キッチンカーできいろいカレーを販売することを決めた高橋さん。
2024年末に「魚音」を退職し、中古のキッチンカーを購入して「だるま食堂」を復活させる準備に入りました。
新しい"きいろい”カレーのレシピも、家族やお世話になってきた地元の先輩に食べてもらったりしながら完成させました。
そして6月5日からの4日間のプレオープン期間は、毎日用意していた100食分が事前予約で売り切れたそうです。それは町の人がだるま食堂のきいろいカレーの復活を待ち望んでいたことの証拠だといえます。
「これからの夏以降は、三崎を出て三浦海岸のイベントに出店します。そこで初めて食べる人達に美味しいって言ってもらえたらいいなと思っています」
復活の味が、外に飛び出して他のエリアの人に伝わっていく。懐かしくも新しいカレーが広がっていきそうです。
取材日 2025/07/06
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Writerコヤマタカヒロ
1973年生まれのフリーランスライター。東京・多摩地区在住。大学在学中にファッション誌でライターデビュー。30年以上、パソコンやデジタルガジェット、家電を専門分野として執筆活動を展開。また、家電の情報サイト「カデスタ」を運営するほか、製品開発、人材教育、PR戦略に関してのアドバイザーなども務める。町中華探検隊にも所属しており、食べ歩きや飲食店取材、人物インタビューなども行う。
RECOMMEND
RANKING