【佐島】一点ものに宿る自由と遊び心。kamome worksのバッグ

Release2025.12.15

Update2025.12.15

【佐島】一点ものに宿る自由と遊び心。kamome worksのバッグ

Release2025.12.15

Update2025.12.15

佐島から海岸線を逗子側へ上っていくと現れる、秋谷の町。富士山を遠くに臨む立石海岸のそばには、海と自然に惹かれてきたクリエイターの方々がアトリエを構え、創造活動に勤しんでいます。

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バッグブランド「kamome works」の塩崎めぐみさんもその一人。彼女がつくるバッグは、同じものが一つとしてない“一点もの”です。その時々で形や素材を変えながら生まれる作品には、自由な発想と細やかな手仕事が息づいています。

自然と人に支えられた秋谷のアトリエ

塩崎さんの制作の場であり、“実験場”でもあるという秋谷のアトリエ。元々は東京で活動していたものの、2008年頃に運命的に出会った空き家にアトリエを構えました。

「秋谷は富士山や箱根の山、伊豆半島まで見渡すことができる、三浦半島でも珍しい地域です。一歩外に踏み出せば、自然が近くにあって開放感があって、どこを歩いても気持ちよさを感じます」

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近所には、同じように創作を営む人々の作品を扱うおしゃれなお店や、無農薬野菜を育てる農家、そして漁港から揚がったばかりの新鮮な魚を手に入れられる魚屋もあり「毎日が面白い」と塩崎さんは話します。バスしか通らない不便さはあるものの、その分、静けさに包まれ、制作に集中できる環境が整っています。

同じものは二つとない、自由な発想から生まれるバッグ

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「同じものを量産したり、型紙通りにつくったりするのが得意じゃなくて」と笑う塩崎さん。かつては洋服のデザインにも携わっていましたが、体型や着心地に合わせた細やかな調整が必要な洋服づくりよりも、強度を保てばサイズも自由につくれるバッグに惹かれたそうです。

「それにバッグは、男女関係なくどんな方でもバッグを持つことができ、その人が自由に使うシーンを選ぶことができます。一つのバッグでも、多様な人に寄り添うことができるんです」

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kamome worksのバッグには決まりがなく、大量生産にはない自由さと遊び心が詰まっています。制作において型紙を使うときもあれば、生地を立体的に組み立てながら形を決めることも。

また、たとえ同じ型紙を使っていても、その時に使う素材やその日の直感によって、大きさや形を変えながら制作しているので同じものは二つとありません。その自由さこそが、一点ものの魅力になっています。

手縫いの温もりが宿る細部へのこだわり

バッグを手に取ってみると、表生地、持ち手、内布、巾着の紐に至るまで、すべて異なる生地が組み合わされていることに気づきます。そして、この複雑なバッグがすべて手縫いという点も驚きです。

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「布のバッグも、革製品もすべて手縫いです。ミシンだと最後の仕上げがどうしても荒くなってしまうんです。だからこそ丁寧に、仕上がりが美しくなるように手で縫い上げています。時間はかかりますけど、手間暇の中で面白いアイディアが浮かぶこともあるんですよ」

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塩崎さんは、外から見えないところにも遊び心を散りばめています。例えば内側の生地がパッチワーク風になっていたり、バッグの奥の一部分だけカラーステッチが入っていたり。お客さまがふと気づいたときの小さな驚きは、作品への愛着を深めていくきっかけになります。

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「売れるものをつくるよりも、そのときの一番良いと思える素材で、自分が納得できる一点を仕上げたいですね」

その言葉どおり、kamome worksのバッグには、作り手の誠実な眼差しと自由な遊び心が宿っています。

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取材日 2025/09/21

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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バッグチャームにぴったりな、端切れを使った革小物も。

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「凝りすぎると、出来上がったときのバランス感が難しいので、さじ加減が大事」と話す塩崎さん。手縫いだからこそ、その加減を微調整できるそうです。

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表側に描かれた模様は、塩崎さんの手で染め入れ、もしくは染め抜きしたもの。革も焼き入れをするなどして、オリジナルパターンを生みだしています。

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同じアトリエに並ぶ「ORATOIS」は、塩崎さんの旦那さんが手掛けるバッグブランド。

Writer小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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