【久里浜】ひと口が国際協力につながる「百年の杜」のタイ風春雨サラダ

Release2025.08.20

Update2025.08.20

【久里浜】ひと口が国際協力につながる「百年の杜」のタイ風春雨サラダ

Release2025.08.20

Update2025.08.20

京急久里浜駅にある自然派居酒屋「百年の杜」では、三浦半島の旬の野菜や海産物にこだわった酒肴が評判を呼んでいます。

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「人と人、生産者と消費者を結び、豊かな食を守っていく」店を目指したという、店主の松尾康範さん。実はかつて、日本国際ボランティアセンター(以下、JVC)のスタッフとしてタイでの有機農業や地場の市場づくりに携わっていました。

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今回は思い出のタイ料理のひとつであり、地元の野菜をふんだんに使った「タイ風春雨サラダ」(935円・税込)をご紹介します。

そのときに手に入る食材でつくる「タイ風春雨サラダ」

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春雨サラダの横に、どーんとキャベツが載るのはタイではおなじみのスタイル。ナムプラー(魚醤)だけはタイ産ですが、日本の純米酢で酸味を出し、料理用醗酵調味料の『味の母』で甘みを加えるなど、他の調味料は国産の食材で揃えています。

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太めの春雨に絡む野菜、にんじん、紫大根、スイスチャード、そして新鮮な刺身はいずれも三浦半島で採れたもの。タイ料理に定番のパクチーは入っていません。無理に食材を揃えるのではなく、そのときに手に入る旬の食材でつくるのが「百年の杜」のスタイルなのです。

また、松尾さんは、食材を丸ごと食べることで食材がもつ生命力を余すところなくいただくという『一物全体』の考え方を基本に調理しています。

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「うちでは、畑に負荷をかけない環境保全型農業を徹底している『ながしま農園』の野菜を中心に使っています。野菜の皮は外から守ろうとする部分で栄養価が高いので、捨ててしまうのはもったいない。だから皮を剥かずに調理します」

互いに地産地消を目指すために

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松尾さんが地元の野菜にこだわる背景には、タイでの活動があります。JVCに出会った当時、大学生の松尾さんは北(先進国)が南(発展途上国)から資源を奪って環境を破壊しているという「南北問題」の話をスタッフから聞きました。そして、自分たちの生活が遠い国に影響を及ぼしていることを知ったのです。

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「ボランティアという言葉を掲げた団体は優しい人が集まるイメージでした。が、関わる中で世界規模の視点をもって行動に起こす“格好良い”人たちだと気付いたんです。自分がその視点を持つためにも、現地のタイに飛びました」

その後、松尾さんはJVC以外にアジア農民交流センターにも所属し、タイの農家の方を日本へ招聘する活動を続けてきました。そこで松尾さんは日本の農家が作物を地元市場で販売して「地産地消」を実践する様子を学び、タイでの市場づくりの参考にしたそうです。

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「招聘した農家の方は帰国して、地元の村で朝市を開きました。地産地消への第一歩です。消費者も生産者も、タイも日本も互いに地産地消を目指した末に、資源を奪い合うのではなく、分かち合うことが国際協力につながります。これは同じ地球に生きる者同士の責任だと思います」

JVCを離れた今、松尾さんの地産地消を実践する場はここ、「百年の杜」です。松尾さんが地場のものでつくる美味しい酒肴は、私たちに“口に入れるものを選ぶ”きっかけを与えてくれるでしょう。

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取材日 2025/6/26


※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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天井を見上げれば、タイの農業具が吊るされています。こちらは昼のお弁当に持っていくために使う、お米の蒸し器。

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雅楽で使われる笙のようなタイの縦笛。

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タイの市場で購入したというお皿も。店のそこかしこにタイへの愛情が見られます。

Writer小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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