港町のイメージが強い佐島ですが、住宅地の合間に小さな工房やカフェが点在しているのをご存じでしょうか。「ancre meubles(アンクル ムーブル)」もそのひとつ。
店主・堀場央さんは本業であるアイアン溶接加工の技術を活かして、もともとアパートだった建物を鉄工房と古道具店、そしてギャラリーに作り変えました。海から流れ込む潮風と港町ならではの空気感を纏う店内では、懐かしくも新しい暮らしになじむ古道具に出会うことができます。
港町のイメージが強い佐島ですが、住宅地の合間に小さな工房やカフェが点在しているのをご存じでしょうか。「ancre meubles(アンクル ムーブル)」もそのひとつ。
店主・堀場央さんは本業であるアイアン溶接加工の技術を活かして、もともとアパートだった建物を鉄工房と古道具店、そしてギャラリーに作り変えました。海から流れ込む潮風と港町ならではの空気感を纏う店内では、懐かしくも新しい暮らしになじむ古道具に出会うことができます。
店内の棚に並ぶのは、国内の市場や骨董市などで集めたという古道具たち。カンテラや操舵輪といった船にまつわる道具や、海の生き物や貝殻のオブジェ、魚が描かれたお皿など、それぞれに物語が立ち上がるようなものばかりです。
生まれも育ちも横須賀だという堀場さんは、「目の前に広がる海が生活の一部だった」と話します。
「東京で暮らしていたときに、かつて身近にあったものが実は特別なものであり、子どもの頃に海から拾ってきていたものが宝物だったんだと気付きました」
だからこそ、自身の原風景である“海を感じる”古道具を、ジャンルや時代、国を問わず集めるようになったそうです。
そして地元に戻ろうと決めたときも、自ずと「海の見える場所で生活と仕事を両立させたい」と考え、イメージの合う佐島で工房兼店舗をオープンしました。
昭和レトロなグラス、食器や花器は女性に人気。また、アトリエや工房が多い三浦半島の西側にあるからこそ、クリエイターたちが作品のディスプレイ用の什器を探しに訪れるようです。
そのご縁もあって、お店では不定期にクリエイターの作品を紹介するポップアップを開催。そのときのテーマや季節によって古道具のラインナップやディスプレイを変えているので、訪れるたびに違った雰囲気を楽しめますよ。
10代から古着やヴィンテージ家具に親しみ、20代には都内のアンティーク家具店で販売や家具修理の経験をしたという堀場さん。古道具に魅かれる理由をこう語ります。
「古い時代の、試行錯誤していたであろう痕跡や、デザインするときの制約のなさ、自由さ、楽しさみたいなところに想いを馳せるのが好きです。そんな古き良きものを、現代の暮らしとミックスした自分だけの空間を大切にしています」
重くて厚みのあるグラスや、手入れがしにくそうな花器など、緻密に整いすぎた現代のプロダクトにはない、少し不格好な美しさ。そんな古きよきものを取り入れて自分だけの空間をつくってみませんか。
取材日 2025/09/17
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information

ancre meubles(アンクル・ムーブル)
住所 神奈川県横須賀市佐島2丁目16−18
営業時間 11:30~16:30
定休日 不定休のためInstagramを確認
アクセス JR「逗子」より京浜急行バス「佐島港前」徒歩3分
URL https://www.instagram.com/ancremeubles

Writer小林有希
東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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