【北鎌倉】40年以上愛される古民家カフェ「侘助」店主・菅村睦郎さんが紡ぐ時間

Release2026.02.05

Update2026.02.05

【北鎌倉】40年以上愛される古民家カフェ「侘助」店主・菅村睦郎さんが紡ぐ時間

Release2026.02.05

Update2026.02.05

ぐんと静けさが増す北鎌倉に佇む、古民家を改造したカフェ「侘助」。

40年以上、この土地の遷り変わりと、ここに集う人たちの時間を紡いできました。

ムードある薄暗い店内にはジャズが流れ、地元の人たちがコーヒーやアルコール片手にゆったりと談笑しています。

北鎌倉の歴史を見てきた古民家カフェは深夜まで営業中

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北鎌倉は山の中。坂の多い土地ですが、「侘助」は北鎌倉駅西口から徒歩1分。ほぼ駅前といっていい立地です。平屋建ての古い建物がそのままカフェになっています。

薄暗い照明と静かな音楽。古き良き時代のジャズ喫茶を思わせるたたずまい。スピーカーはBowers & Wilkinsのブックシェルフスピーカー。いい音です。

冬には入り口近くの薪ストーブに火が入ります。テーブルと椅子は木製で統一され、席数はおよそ30席。イベント開催時には入り口付近の出窓付近が舞台となります。

奥に進むと床が一段、上に。

「ここは以前、物置だったんだ。2016年に改装工事をしてね。壁をぶち抜いて窓を作ったの。外には坪庭があって、春と秋にはいい風が通り抜けるよ」と話すのは、店主の菅村睦郎さん。

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天井には、黒い皮のようなものが貼ってあります。「最初からあったね。牛の皮らしいよ。もう50年になるのかな」

深夜帯まで続く営業。ひと晩ひと晩が北鎌倉の歴史を紡いでいます。

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ふらりとあらわれた外の人が北鎌倉に根付いて40年

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菅村睦郎さんは岩手県生まれの71歳。

学生の頃に上京。肉体労働のアルバイトをして120万円を貯金し、「空気のいい場所で1年間ゆっくりしよう」と、電車に乗り込みました。

「大船を過ぎて、ふっと空気が変わったんだよね。清涼な感じ」

北鎌倉駅に降り立った菅村さんは、2万3000円の風呂なしアパートを借りて以来、40年をこの土地で過ごしています。

「当時、夜に開いている店は、ここしかなかったんじゃないかな」

すぐに「侘助」の常連となりました。

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その時のオーナーは別の場所に店を持っていたので、「侘助」は代々雇われ店長が店を切り盛りしていました。

菅原さんは35歳で雇われ店長に。

店長を引き受ける前に鎌倉の「長兵衛」という店で1年間修業し、皿洗いをしながら厨房や女将さんの動きを見ていました。

2年後には賃貸借権と営業権を買い取って、オーナーに。

「せっかく引き継いだのだから、とにかく潰さないこと」と心に決め、営業を続けてきたそうです。

歴史に裏付けられた、胃に優しいケーキセット(800円)

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カフェに欠かせないスイーツ。単品なら500円のコーヒーと450円のチーズケーキを、800円のセット価格で提供しています。

「どこ産の酸味豊かなコーヒー」などと謳わないのが菅村流。

しかしその実、焙煎豆の販売を中心に営業している地元の老舗「北鎌倉ベルタイム珈琲」の焙煎豆を使用しています。繊細でライトな味わい。

昔は数種類あったケーキも、今は「日持ちして品質が安定している」という理由でチーズケーキのみ。

「長谷にパティシエのおばちゃんがいてね。お店はやっていないの。うちのためだけに作ってくれている。もう30年になるかな」

浅煎りのコーヒーと相性抜群の優しい味。そしてここでしか食べられない甘みを抑えたさわやかなベイクドケーキです。

「この店にあるのは集まってきて、残ったものだけだね」

お店の歴史を感じさせるお得なケーキセット、おすすめです。

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取材日 2025/10/27

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

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赤ワイン(600円〜)に合う「生ハムとチーズと盛り合わせクラッカー付き」(850円)。

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店内は薄暗い照明の下、静かな音楽が流れています。

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左は元オーナーのシゲさん。右は現店主の菅村睦郎さん。シゲさんが昼過ぎに店を開け、菅村さんは夕方から店に出ます。

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昔、物置だったスペース。この奥にライトアップされた庭が見えます。テーブルは映画監督・小津安二郎邸にあった台所の床板を加工して作ったもの。

Writer深川岳志

フリーライター。兵庫県生まれ、東京都杉並区在住。IT入門系のほか、取材もの全般。ライトノベルの校正も手掛ける。ふだんは小説ばかり読んでいる。著作は「プログラマの秘密」「プログラマの憂鬱」ほか。

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