三浦市役所の並びにある小料理店「食房miura」は、荏原秀介(えはらしゅうすけ)さんと、奥様の由佳(ゆか)さんのご夫婦で営まれており、2014年のオープンから昨年で10周年を迎えました。
「三崎は酒呑みが多いので(笑)、食事というよりもお酒に合う料理を提供しています」という秀介さんの言葉で地元に愛されていることが垣間見えます。
三浦大根の入った味噌味の「モツ煮・冬」(650円)は肌寒い日にピッタリ。ブレンドされた味噌がモツにしっかりと染み込み身体を温めてくれます。4月頃は塩味に変更され、春キャベツが投入されるとのこと。さらに夏はトマトベース味・秋は醤油味と季節ごとに趣向をこらしています。
メニュー表をみると、人気のアジフライなどを筆頭に揚げ物系から鮮魚系まで、オーダーを迷う人が多いのも頷けます。
メニューを見ていると、気になる箱を見つけました。
食房miuraオリジナルの「三浦のカレー」(750円・店内ライス付)を販売しているとのこと。
「お店は夜のみの営業で、昼はレトルトの工場で様々な製品を作っています。息子が責任者として在籍していて、さまざまな商品開発を行っています。
このカレーは地元の名産品、特に三浦大根の煮ても崩れない特性がカレーにピッタリと思い、三崎のマグロとともに使うことにしました。
味付けは三浦大根の食感とマグロの風味にレッドカレーが合うことがわかり、1ヶ月ほどシンガポールに滞在して毎日食べ歩きをしました。凝り性なんです(笑)」と、秀介さんがサラッと壮大な開発ストーリーを語ってくれました。
さすが本場タイで味決めをしてきたとあって、三浦大根とのマッチングは絶妙。マグロの身も崩れずゴロッとしていて食べ応えも満点。
「うちはご飯系のメニューが少ないので、お腹が空いていたらこのカレーをオススメしています」と由佳さん。
開店前の取材中も、常連さんが顔を見せ、心地よいやりとりの様子から食房miuraが人々のハブとなっていることが感じられました。
由佳さんは「主人と学生の頃に付き合いはじめたときからこの世界でしたから、料理に関しては、本人が長年大切に育ててきた経験や思いが、すべて花開いているように感じています。私は、ホールでお客さん相手を担当している感じですね。
そういえば自分たちが学生の頃ってダブルデートとか流行ったんですよ。初めての出会いもそんな感じでしたね(笑)。それが2人とも今年で還暦なんです」と、長い歴史を振り返っていただきました。
そんな素敵なご夫婦が提供する地元・三崎の味をぜひ味わってみてください。
取材日 2025/01/20
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
Information
食房miura
住所 神奈川県三浦市三崎1-2-21
電話番号 046-890-3536
営業時間 17:30〜22:00
定休日 火・水曜日
アクセス 京浜急行バス「三崎東岡」「日ノ出」から徒歩3分
URL https://www.facebook.com/shokubomiura/
Writer赤坂太一
東京と福岡の2拠点生活をしている編集者・ライター。デジタルガジェットとクルマなどの乗り物が好物。マニアックな世界を一般向けに翻訳するコンテンツ制作が得意。
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