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まぐろといえば「お刺身」や「丼もの」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は三浦半島には“ひと味違う”創作まぐろ料理がたくさんあります。ハンバーガーやフィッシュ&チップス、ちまきなど、アイデアと技でアレンジしたメニューの数々。その多様さはまさに港町ならではの魅力です。この記事では、そんな「まぐろ創作料理」に出会える三浦半島の名店を、実際に取材した地元目線でご紹介します。観光で訪れた方も、地元の方も、あたらしいまぐろの楽しみ方を見つけてみませんか?
三崎銀座商店街にある「ダイニング&カフェ ココナツ」では、舟盛り皿にのって登場する名物「みさきまぐろバーガー」が人気です。バンズに挟まれるのは、三崎港で仕入れたメバチマグロの中トロや尾の肉などを使った特製パテ。中華の技法で肉汁を閉じ込め、ふわっとジューシーな食感に仕上げています。アボカドわさび醤油ソースや香ばしいタマネギ、紫蘇の風味がまぐろと調和し、満足感のある味わいです。オーナー山田さんは「笑いは心のケア」と語り、店内には温かな接客と笑顔があふれています。地元で愛される理由を、訪れればきっと体感できるはずです。
三浦半島・三崎町にある「ダイニング&カフェ ココナツ」は、親子三代にわたる“お粥の思い出”から生まれた、あたたかなカフェレストランです。オーナーの山田さんが地元で紡いできた味を、ホテルで経験を積んだ息子さんが受け継ぎ、日々丁寧に仕込まれた料理を提供しています。なかでも「三崎まぐろ角煮粥」は、ほろほろと崩れるまぐろと、お米のふくよかさがやさしく寄り添う一杯。まるで家庭のような温もりが感じられ、旅の途中でほっと一息つける味わいです。テイクアウトもできるので、お土産にもぴったり。港町の空気とともに、お粥のやさしさに包まれてみてはいかがでしょうか。
三崎港のすぐ近くで製造されている「三崎港まぐろ トロちまき」は、地元まぐろのスジ肉を使った中華ちまきです。考案者は、まぐろ問屋として長年の経験をもつ土山拓男さん。煮込むことでゼラチン質となり旨みが増すスジ肉を活かすため、横浜中華街の名店・重慶飯店の元料理長とともに開発されました。現在は、1日600個を生産する人気商品となり、冷凍品のテイクアウトやイベント出店、土産物店などで購入可能です。電子レンジで簡単に楽しめる調理法も魅力。2025年春には海に近い場所へ工場を移転し、ベンチを設置してその場で味わえる計画も進行中。三崎の新しい味として注目されています。
三浦市・三崎の「うらりマルシェ」1階にある「みさきまぐろ倶楽部」。ここで20年以上愛されているのが、マグロの尾の身を使った中華まん「とろまん」(300円)です。町歩きのお供に、と開発されたこの一品は、湯気の奥にふっくらと蒸しあがった姿が印象的。プルプルのゼラチン質が口いっぱいに広がり、じゅわっと染み出す出汁の旨みも魅力です。製造過程で誕生したハンバーグなど新商品も登場し、地元の味を支えています。「静かで落ち着いた三崎の町が気に入って」と語る営業部長の川見さんの言葉には、この地域への愛着がにじみます。三崎を訪れたら、気軽に味わえるローカルグルメとして立ち寄りたくなる場所です。
逗子・池田通り沿いの「maresco(マレスコ)」は、南イタリア料理と三浦半島の地元食材が出会うイタリアン。シェフ・柳沢学さんが手がける「三崎マグロのグリル グリーンペッパーソース」は、頬肉の力強さと爽やかなソースが絶妙に調和し、まるで肉料理のような食べ応えがあります。ワインとの相性も抜群です。ドルチェもすべて手作りで、「栗とマスカルポーネピスタチオのズコット」は、季節によって具材が変わる楽しさも。サルデーニャ島での修行経験が活きる味わいは、三浦半島の素材と共鳴し、ここ逗子でこそ生まれる一皿になっています。南イタリアの空気を感じる温かな空間で、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
三浦海岸駅から徒歩5分の「うみのかみさま サイサガール」は、元一流ホテルのシェフ・プジャリさんが営む南インド料理店です。週末限定の「豆とマグロカレー」は、スパイスの効いたマグロカレー、ひよこ豆のカレー、タンドリーチキン、ナン、ライス、サラダ、ドリンクまでセットになった満足感たっぷりの一皿。魚が美味しい港町マンガロール出身のプジャリさんならではの感性で、三崎のマグロを取り入れたスペシャルメニューが誕生しました。コロナ禍のリニューアル時には、ファンがボランティアで改装を手伝うなど、地域に愛されているお店です。スパイスの力で体の芯から温まる、三浦らしい魚のカレーをぜひ味わってみてください。
明治27年創業の老舗まぐろ問屋「まぐろの西松」が、新たな食べ方として開発したのが「三崎まぐろのスモーク生ハム」です。きっかけは、社長・相原宏介さんがマレーシアで「刺身文化がない」と知ったことから。燻製ならばと試作を重ね、刺身用の高品質な天然メバチまぐろを選び抜き、保存料・添加物不使用で完成させました。スモークの薫りと柔らかな食感が特徴で、カナッペやパスタにもぴったり。相原さんは「西松の三崎まぐろ」ブランド化も目指しており、「いつ食べてもおいしく安心な品質を届けたい」と語ります。こだわり抜いた選別と目利きで生まれた、新しいまぐろの味わいをぜひ試してみてください。
三崎漁港のすぐ近く、小さな港町にたたずむ「Cafe Fossette(カフェフォセット)」は、ガレットとクレープの専門店です。店長の重田陽子さんは、東京での飲食経験を活かし、2024年に三浦へ移住。地元の野菜やマグロの生ハムを使った贅沢なガレットは、まるで日常から一歩抜け出すような味わいです。特に「季節の三浦野菜のサラダ+マグロの生ハム・チーズ・エッグ添え」は、地元の味覚がぎゅっと詰まった一皿。移住をきっかけに、港町での暮らしや家族との時間を大切にしながら、丁寧にガレットを焼く重田さんの姿には、温かみがあります。店内の居心地のよさとともに、心に残るひとときを過ごせるお店です。
南下浦の海辺に建つ「ビーチエンド カフェ」は、オーシャンビューを楽しめる開放感あふれるフレンチレストランです。料理長・林諒太さんが手がける「三浦まぐろカレー」は、赤身のまぐろカツとスパイシーなルーが好相性で、地元らしさを感じられる一品。110席ある広い店内のほか、潮風が心地よいウッドデッキのテラス席では、ペット同伴でも利用できます。地元の漁港や直売所で仕入れた食材を活かし、季節ごとに変わるメニューも魅力。二階席から望む海の絶景と、林さんの丁寧な料理を目当てに訪れる人も多いようです。お土産には、地元野菜や手作りジャムもおすすめです。
「うどん はるかぜ」は、店主・室越敦さんが三浦半島の素材を活かしてつくる、完全手打ちうどんの店です。なかでも看板メニューは「パクチーまぐろうどん」。まぐろの旨みにパクチーの爽快感、レモンの酸味が加わり、食べたことのない味わいに驚きます。お酒も豊富で、地元のビールや珍しい銘柄が揃い、「三崎まぐろセット」と一緒に楽しめます。写真家から転身した室越さんの、食へのまっすぐな情熱が詰まった一杯。三浦で農業を志した経験と、海外での暮らしが今の料理に活きています。店内にはスタッフ手描きのイラストや手作りのオブジェもあり、温かみのある空間です。営業は金〜月曜。三崎港のすぐ近くで、週末の小さな旅にもおすすめです。
三浦半島・城ヶ島にある「FISHSTAND」は、木・金・土曜のみ営業するフィッシュ&チップスの専門店です。運営するのは地元水産会社の一角を活かした直営ショップで、店主・石橋悠さんがロンドン留学時代の味を、地元のマグロで再現。試行錯誤の末、大トロを使うことで外はサクッと中はふんわりの食感に仕上がったそうです。店内には自家製のマリネやコンフィ、ペットフードも並び、地元ならではの味と工夫が光ります。カラフルなパッケージに包まれた揚げたての一品は、地元の暮らしの中に新たな魅力を添えています。
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